クイズを取り入れた(意識?)全員参加型活動 ~話したい者は話せ、聞きたい者は聞け~

投稿者: | 2018年4月13日

一クラスの学習者の人数が40人、というのが長い間続きました。40人相手にひらがなから教えるわけですが、大学の教養科目ということもあって、日本語に対する興味のあり方も、これまでの日本語学習歴もまったくバラバラな学生が40人そろっていました。

教養のクラスという特性上、とにかく「授業に参加させる」、「日本語に興味をもたせる」ということを中心にいろいろなこと試行錯誤でやってきたんですが、私の授業の中心になりつつあるのは「グループ対抗のクイズ大会」です。まずは、どんな方式で授業を進めるのかを簡単に説明しつつ、その解説をおこないます。

クイズの進め方

この授業では、「ちょっと大きめの数字を言ったり聞きとったりすることができる」ことが目標です。数字の基本的な読み方の導入は終わっているものとします。

便宜上、30人のクラスと仮定しましょう。

まず、学習者をグループに分けます。分け方はいろいろありますが、どんな分け方でも構いません。いちいち席を立ったりすると時間がかかるので、大抵は座っている席が近い学習者同士で同じグループにします。こんな感じですね↓。グループ名もテキトーにつけます。大抵はアルファベットです。

「こんなにきれいに並んでいないよ!」という場合、↓こんな感じでもいいです。人数もきっちり揃える必要はありません。別に横のラインで分けても構いませんし、ブロックごとに分けても全く問題ありません。

クイズは↓こんな感じです。これをスライドで表示させます。「このコンバースの靴はいくらか?」を当てるクイズです(一応韓国の公式オンラインショップで調べておきましたが、教室活動なので厳密にする必要もありません)。

まず、↓のように指示を出します。

Aグループに属する学習者は6人います。そのうちの誰が答えてもいい、「とにかくAグループの誰か、当てずっぽうでいいからいくらか言ってみて」というわけです。すると、↓のように誰か「勇気ある学生」「話したい学生」「積極的な学生」が答えを言ってくれます。

教師は答えを知っていますから、その学習者が言った値段に対して「~より高いです」「~より安いです」で答えます。↓です。

次に、ターンがBグループに移ります。↓です。

また同じことの繰り返しです。Bグループの誰かが↓のように言ったとします。

もう、同じことの繰り返しだということはわかりますよね↓。

次はC,D,Eと来て、もし正解がでなければ2ターン目に入ります。いずれ正答が学生の口から出ます。出たら、正答のスライドを提示します。

当てたグループは1点獲得です。このようなスライドを何枚も用意しておいて、最終的にどのグループが最も多くの点数を得たか、を競うのです。

ちなみに私はこういうクイズやゲームをしばしば行なうので、ゲームポイント制度を作って、一学期間でたくさんポイントを集めた学生には簡単なプレゼントをあげたりしています。

全員参加できる

上で説明したのは値段の練習ですが、このパターンは他にもいろいろ応用できます。答えが決まっていて、それに回答することによって少しずつ正解が見えてくるものなら何でもいいんです。

この方式のミソは一人一人の授業への参与度が高くなるということです。グループにすることによって、自分のターンが回ってくる回数が増えます。例えば完全な個人戦にして全員に平等に発話の機会を与えるとなると、30人のクラスでは30回待たないと、自分のターンは回ってきません。

しかし、この場合は5回に一度、回ってくるんですね。もちろん同じグループに数人の学習者がいるわけで、そのうち発言できるのは一人だけなので実際には5回に一度発話できるわけではありません。しかし「意識として自分の番」が5回に一度回ってくることになります。

話したい人は話す、聞きたいだけの人は聞く

また、以前は全員が一度くらいは発話できるように促していたんですが、それもやめました。場合によってはクイズを最後までやってもAグループの6名のうち、2名しか発話しない、という状況も生まれます。でも、それでいいと思うんですね。今では話したい人だけ話せばいいんじゃないかと思っています。

「話したいけど、話せないでいる」学習者というのはわかるものです。そういう場合は、「じゃあ、今回は○○さん答えてみて」というように促したりすればいいだけです。

また「話したくない」学習者も大体わかります。その学習者にも無理に話させません。

答えを当てたくなる性

というのはですね、「クイズ」という形式になると、どんな単純なものでも「答えを当てたくなる」という人間の性が出てきます。ほんとですこれ。ナンシー関も言ってます。

だから黙っている学生も、よく見てみると、他の学生が「○○ウォンですか?」と言っているのをちゃんとノートに取っていたりするんです。つまり、聞き取りをやっているということです。おそらく聞き取りをやっているということは、答えを頭の中で推測しているわけです。

まだ、日本語でクラス全員に話すという段階に来ていない学生はきっと頭の中で予行練習をしているはずです。頭のなかで「52,000ウォンだったら・・・・ごまんにせんうぉん」という具合に。だったら発話をしなくてもそれで十分なんです。

実際に発話しなくても頭の中でアウトプットの準備をすることによってアウトプットが磨かれている、というのは前に読んだ『外国語学習に成功する人、しない人-第二言語習得理論への招待ー』にも述べられていました。

レビュー『外国語学習に成功する人、しない人-第二言語習得理論への招待ー』

まとめ

以上、クイズを取り入れた授業活動について述べました。これはあくまで基本パターンです。もし、クラス内の人間関係が円滑であるとかいった場合は、グループ内で答えを相談させて「せーの」でグループ員みんなで「5万ウォンです!」なんて言わせたりもできますし、とにかくアレンジの仕方はいろいろあります。応用の仕方はいろいろあるので、そのクラスの状況に応じてやり方を変えてみると良いと思います。

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