今話題のFacebookグループ「日本語コミュニティ」とは?

投稿者: | 2018年6月22日

以前Facebookの日本語学習グループを利用した教室活動の実践報告を書きました。

「つなげる」が当面の教師の仕事

その日本語学習グループが「日本語コミュニティ」です。今日はこのFacebookグループ「日本語コミュニティ」について少し書きます。

日本語コミュニティ(外部リンク)

日本語コミュニティとは

簡単に言うと日本語学習者の学習支援をおこなうコミュニティです。コミュニティを構成するメンバーの大半は日本語を学習をしている非日本語母語話者ですが、日本語母語話者も参加しています。私もその一人です。
日本語学習者が日本語もしくは英語で何らかの投稿をおこない、それについてその他の参加者がコメントしたりします。投稿の内容は日本語や日本文化、日本社会に関する質問から単なる自分の日常のスケッチまで様々です。
このように書くとどこにでもありそうな外国語学習コミュニティのように見えますが、いくつかの点において特殊な点を持っています。

4万人オーバーの参加者

まず第一に、参加者が非常に多いということです。総メンバー数は現時点で4万人を超えています。この数字は驚異的です。世界最大級の日本語学習オンラインコミュニティと言ってよいでしょう。
メンバーの総数は投稿数、投稿に対するコメント数に直結します。 もちろん数の多さだけがグループの盛衰に関わるわけではありませんが、分母が大きいと活動が活発になるというのは当然でしょう。

職員室の存在

なぜ参加者が多いかと言うと、それなりのものをこのコミュニティが提供できているからです。その一つが「職員室」と言われる別グループの存在です。

例えば、学習者が日本語についての何らかの質問をします。普通のコミュニティであれば日本人が「それはね…」と文法やその他の説明をしたりすることでしょう。しかしこのコミュニティでは言語的な指導ができるのは職員室という別グループに所属するメンバーに限られているのです。

職員室 への参加は 基本的に日本語教育の有資格者のみが認められます(例外あり)。ですから、学習者の立場で言うと「プロの日本語教師から指導を受けられる」ということになります。時々インターネットの質問サイトなどを見ると、見当違いな文法説明をしているものや、辞書のコピペだけに終わっているものなどが見受けられますが、基本的にこのコミュニティでは、そういったものはないと言っていいでしょう。

厳しい管理

最後にこれが重要な要素になりますが、二人の管理人が非常に厳しいです。管理人は、参加者がこれだけ多いにも関わらず常にコミュニティ上のやり取りに目を光らせています。問題を引き起こしそうな投稿の場合、すぐにコメント欄が封鎖されますし、 そもそも怪しそうな人はコミュニティへの入会すら認められません(ちゃんと基準がある)。

特に日本人の参加者には厳しいです。しかしこれは当然のことと言えます。「日本語コミュニティ」が「学校」だとすれば、「学生」=「コミュニティの学習者」を守るのは職員室に所属する教師の仕事です。そしてその教師を含めた学校を守るのは「校長などの管理職」=「コミュニティ管理人」 の仕事でしょう。この厳しい管理ゆえに質の高いやり取りが維持され、問題になりそうな状況が排除され、学習者や教師はそれぞれ学習と学習支援に集中できるというわけです。

日本語教師にとっての参加の意味

ここまで三つの特徴をあげてきました。他にも色々特徴はあるでしょうが、一参加者からみて特筆すべきことは上の三つに集約されると思います。この三つは独立しているわけではなくて、それぞれがそれぞれを支える関係になっています。

ここまで読んでくださった方は 「なるほど学習者にとっては意味のあるコミュニティであることは分かった。しかし学校と違って給料が出るわけでもないし、教師の方はどういったモチベーションで参加しているの? どういう意味があるの?」 ということも 感じられるのではないでしょうか。

知識やスキルの積み上げ

参加して最初に思ったのは 「相当鍛えられるな」ということです。コミュニティ上では日本語に関する質問がたくさん挙げられます。すぐに答えられるような簡単なものもありますが、ちょっと調べてからでないと答えられないような難しい問題も沢山出てきます(調べてもわからないこともたくさんあります)。

その学生が疑問に思ったということは、 自分のリアルの学生も疑問に思うかもしれないということです。もし面と向かってこれを聞かれたらどのように答えればいいだろうか?そういう質問にぶち当たることは日本語教師として必要な知識やスキルを積み上げるのに大いに役立ちます。

自分が疑問に答えられない難しそうな問題は、「お知らせをON」にしておき、後ほど他の日本人メンバーがどのように回答したかを見て参考にすることもできます。これも非常に勉強になります。

リアル授業での活用

私は自分の所属大学での授業にこのコミュニティを何回か取り入れたことがあります。 一番上に上げたリンクにはそこでの活動の内容が報告されています。

日本語コミュニティ上での活動は直接金銭的な利益に結びつきません。ですが、実際に職を得ている現場でこのコミュニティを用いれば、その活動が必ずしも無償の労働であるとは言えなくなるわけです。「プロボノ活動の実践」はコミュニティ側でも謳っていることです。どのように自分のその他の活動とリンクできるかを考えてコミュニティを活用していけば、単なるボランティアで終わるということにはなりません(単なるボランティでも構わないですが)。

忘れていましたが、私が毎週行っている「やさしい日本語おしゃべりカフェ」の参加者は日本語コミュニティから得ています。

やさしい日本語おしゃべりカフェ

情報収集

自律学習を支援するコミュニティですから、日本人参加者は 基本的には支援をする側なわけです。しかし私の場合学習者の方からもかなり有益な情報を得ています。

上の3つは教育的な意味合いで質問したのではなくて、実際に知りたくて質問しました。参加者が多いコミュニティですから、結構ピンポイントな質問にも回答してくれる人が出てきます。しかもこのコメント数の多さ!

子供の頃「世界中の人が全員日本語を話せれば自分は外国語を勉強しなくてもいいのになあ」と考えたことがあります(ありますよね?)。 このコミュニティ内ではそれが可能なわけですね。自分が日本語で質問をすると メンバーから日本語で答えが返ってきます。 これほど楽なことはありません。

まとめ

以上、Facebookグループ「日本語コミュニティ」について書きました。まあ、いろいろ細かいことを書きましたが、世界中の人とコミュニケーションがとれる!というのは純粋におもしろいことです。

今話題のFacebookグループ「日本語コミュニティ」とは?」への5件のフィードバック

  1. ピンバック: こりゃ使えるわ!「JFS 読解活動集」 – さくまログ

  2. ピンバック: 「つなげる」が当面の教師の仕事 – さくまログ

  3. ピンバック: ZOOMを使った「やさしい日本語おしゃべりカフェ」1周年!! – さくまログ

  4. ピンバック: 「つながり」と「ICT」~日本語教師のキャリア形成 in 国士舘大学~ – さくまログ

  5. ピンバック: 「やさしい日本語おしゃべりカフェ」終わりました。 – さくまログ

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