こりゃ使えるわ!「JFS 読解活動集」

投稿者: | 2018年8月30日

韓国では9月から新学期が始まります。私に与えられた授業の一つに「実用日本語会話」というのがあります。

これは新設の科目なんですが、2019年度からはこの科目で使う教科書がほぼ決まっています(今、職場で作っています)。というわけで一学期さえ乗り切れれば、あとは新教科書に沿って授業をアレンジすればいいので楽なんですが、今学期の授業内容に関しては完全に私の裁量。

余談&私見ですが、授業は自由度が高いほど準備が難しいです。使う教科書や進度がガチガチに決っている方が授業をするのは楽です。もちろん自由度が高い授業でうまく行ったときの喜びは何ものにも代えがたいとかそんな面もありますけど、何もかもを一人で決めなければならない今回は本気でやんないと…。

そんな中、ある方のSNSでの紹介から「JFS 読解活動集」にたどり着きました。

初級向きのCANDO読解教材!!

「JFS 読解活動集」は「みんなの教材サイト」に載っています。出た~みんなの教材サイト!!だいぶ前からあるサイトですね。私も駆け出しの頃は授業ネタを必死に探していたのでお世話になっていた時期もあるんですが、どうも使い勝手が悪いというか、最近は疎遠になっていました。

JFS読解活動集

今回も「ログイン」がうまくできず、結局新たに登録することに。しかし新たに登録までして閲覧した甲斐がありました。

下の写真はこの活動集の説明です。

簡単に言うと、
1)初級向けである。
2)今流行りのCANDOをこなしていく形をとっている。
3)生教材を取り入れている。

ってことでしょうか。実際に日本語学習者が遭遇するであろう読解場面を想定して、必要な情報を読み取っていくというような活動をおこなうって感じですね。

↓活動のラインナップの一部です。

例えば6の「旅先からのメールやハガキを読む」っていう単元ですと、以下のような画像ファイルが読解用の教材として上げられています。

SNSの投稿を模した形ですね。一つの単元にこのような「実際にありそう」な読解用のコンテンツがいくつも収まっているんですね~

また、各単元ページの下の方を見ると↓の画像のようにワードファイルやPDFでこの教材が提供されていて、やろうと思えばこれだけ使っても授業ができるようにセッティングがなされています。

よっしゃ!これで一学期乗り切れるわ~とも思ったんですが、私の授業タイトルは「実用日本語会話」。。。あ、会話だった。。。忘れてた。

というわけで、以下のようにアレンジしてみました。
1)一日の授業で一つの大きなテーマを掲げる。
2)そのテーマで読み書きや会話をおこなう。

一応、一回目の授業の構想は半分練りました。

1)テーマは旅行
2)読解教材として↑のJFS読解活動集の6「旅先からのメールやハガキを読む」を読ませる。
3)読んだ後は、活動集にもあるように、「日本人の友だちの投稿に対するコメントをしてみましょう」とか「夏休みに行ったところを簡単に紹介してみましょう」などをSNSを使って投稿させる。
4)残りの時間はテーマである「旅行」に関する会話練習。

おお、完璧!読み・書き・会話全部できるわ~ちなみに時間は50分×2コマです。時間もちょうど良さそう。

教材のアレンジ

細部の方針として、面倒なのでプリント類は使わないことにしました。教材はすべてグーグルスライドで作って、それをスクリーンに写す。また、個人の学習用や復習用にはそのスライドを学生たちと共有しておきます。学生としてはスクリーンを見てもいいし、手元のスマホなりタブレットなりを見ても良いということになります。

アレンジとまでは言えませんが、画像は切り貼りしたり、必要に応じて韓国語を入れたりしました。

また、こういう授業のいいところは自分で資料や教材を追加できる点にあります。おそらく私の担当する学生の中には初級を超える学生もいるかと思いますので、テーマに沿った自前の読解文章も入れたりしました。

↑はわたしが実際に先日訪れた場所について書いたものです。実は本当のFacebookでの投稿ではあまり「やさしい日本語」を使っていなかったんですが、それを少しリメイクして教材用にしました。

共有範囲を「自分のみ」にしておけば、いくらでもSNS風の教材は作れますね。

SNSを使った書き練習

これは私の得意とするところです。過去にはFacebookの日本語学習コミュニティを用いてこんな試みもしました。

「SNS日本語」の授業における文章表現活動について-Facebookグループ「日本語コミュニティ」利用を通じて – (論文)
今話題のFacebookグループ「日本語コミュニティ」とは?

でも、今回はまず前半は「クラスの学生+自分」だけの閉じられたSNS空間を使ってやりとりをおこなおうと思います。それを5,6回やって慣れてから、外部の人も参加しているSNSに舞台を移そうかと。SNSはやはりFacebookのグループ機能を使おうと思います。

教育用のSNSを使ってもいいんですが、最終的にはSNSの大海原に学習者を放つつもりなので最初からFacebookを使います。ただ最近の韓国の学生はFacebookを使う人が減ってきているようなので反応が心配です。

会話練習どうしよう?

まだ構想が固まってないのが会話練習です。

とりあえず、今年は笈川メソッドの合宿クラスを見学してきたので、このエッセンスはぜひとも入れたいと思っています。

半端ない!笈川式日本語合宿授業潜入記①

あと、学習者が15名と、割と少数なので、前からずっとやろうやろうと思っているのを実践したいと思います。「質問からはじまる会話練習」というものです。

会話の始まりというのは基本的に「質問」や「聞くこと」だと思います。でも日本語教育での会話練習というと、「質問にどう答えるか」の比重が高いような気がしていました。

でも、考えてください。例えば日本語学習者が日本旅行をしたとします。やはり会話は「学習者からの質問や依頼」から始まるのではないでしょうか。「ここはどこですか」「チェックアウトは何時までですか」「水をください」など。

あと、ときどき聞いてもいないことをペラペラと得意げに話す人もいますが(私のことですよ)、やはり基本は「聞いたことに答える」ということです。すべての会話は「質問」から始まるのです!

ですから、今回の授業ではうまくテーマを誘導して、学生が自分で質問を作る。質問を投げる。それに対して私やその他の学生が答える、というような「質問主体」の会話練習をしたいと思っています。

が、まだ何も思い浮かばず。でも何も思い浮かばなくても授業は始まるので、そのうちまた何か報告いたします~。

こりゃ使えるわ!「JFS 読解活動集」」への3件のフィードバック

  1. Kaoru Fujinaga

    こんにちは
    このJFS読解活動集の企画に携わった者です。コメントいただき嬉しいです!
    また、授業に実際に使ってもらってることも。そうそう、コメントにあったように自在に身の回りの素材を加えていってもらえるといいです。この活動集作成の目的は、実は、そこにあります。リアルな世界に初級の段階から接してもらいたい、そのためにクラスでも生っぽい素材を使ってほしい、その例になるように素材を作りました。著作権フリーにしておくことも考慮してあります。
    あと、A1だと写真などを頼りにほんの一部だけがわかればいい、レシピやSNSの旅行ネタの細かいところまでだいたい分かるようになるのはB1って感じ。だから、マルチレベルのクラスなら、ちょっと難しい目のチャレンジ質問を上目学習者用に足しておくといいかも。

    では、楽しいクラスになりますように!

    返信
    1. shirogb250 投稿作成者

      当事者の方にコメントをいただけるとは!ありがとうございます。
      おっしゃる通り、自分のクラスにレベル的に合わない部分は自分で探してきたり、自分で作ったりしてレベルを調整できるのがいいです。
      何もないところから授業構想を立てるとなるとなかなか大変なのですが、ここで紹介されている切り口を元に、自分のクラスに合わせた授業活動につなげられる点が嬉しいです。
      まだまだシリーズは完結していないと思います。これからも期待しています~

      返信
  2. ピンバック: Googleスライドで「なんちゃって電子教科書」! – さくまログ

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