間違いだらけのバイリンガル教育②

投稿者: | 2018年12月12日

間違いだらけのバイリンガル教育①

というわけで、長男小3の春です。

・ひらがなは自分の名前が辛うじて読み書きできる程度
・聞き取りは大抵こちらの言っていることは理解できる
・自分からのアウトプットは韓国語がほぼ全て

という状態からのスタート。何しようか??一応私は日本語教師ですからいろいろ考えてみました。

もらった教科書!

とにかく「読み書き」だなと思いました。一応日本語の聞き取りはできるわけですから、全く0から始める日本語学習者とは違います。

本棚を眺めてみますと、一年に二回ずついただいた日本の小学校の教科書が目に入りました。↓これを活かさないわけにはいかない。



ちなみに海外在住でご存知ない人はいないと思いますが、海外子女教育振興財団から無償で日本の教科書を配布してもらうことができます(送料はこちら負担)。

海外子女教育振興財団

というわけで日本の教科書を一瞥してみたんですけど、やっぱ読み書きといえば国語でしょう~。

とりあえず、字が読めなければ、何もできません。とりあえずはひらがな46文字を覚えることを目標にしました。でもどうやって??

音読と手書き、書き取り

「あいうえお、かきくけこ」の順番で一つ一つ覚えさせるのも方法かもしれませんが、「聞き取りができる」というのは長男のアドバンテージです。これを生かさないわけにはいきません。

例えば全くの0スタートの日本語学習者は「りんご」と聞いても意味がわかりません。しかしうちの長男は「りんご」とは読めないけど、「りんご」が何かはわかります。そういうことです。

ですから教科書の文章を音読することにしました。音読は、私が読んだあとに読むわけですが、これは字が読めなくてもできます。「りんごの きが あります」という文があったとすれば私がそう読んだあとに続けて読ませるわけです。これを続ければ、少しずつ自然に文字を覚えてくれるかな?と思いました。

が、この方法ではあまり覚えてくれませんでした。きっと「文字を覚えなければならない」というモチベーションが高くないからでしょう。

次に、伝統的な方法である「手書き」に切り替えました。

私がノートに見本を書いて、それに何度も書かせます。何回か書いた後で、試験は書き取りをします。何も見ないで「りんご」「みかん」などと言って、それが書ければ合格です。一日単語を5つくらい練習しました。それをやっているうちにほぼひらがなは覚えたようです。最初は単語でしたが、そのうち「りんごのきがあります」のような文もできるようになりました。

やっぱり少しずつ、ゆっくりがよかったですね。大体週3日から週4日、時間的には一回30分もかかっていません。本人のモチベーションがあまり高くないのでこのくらいが限界ですね。

音読一辺倒

ひらがなが読めるようになってからは音読の比重を高めました。というか音読一辺倒になっています。まず私が一文を読み、その後息子が同じように読みます。それをずっと続けました。時間は同じくらいですね。一日20分くらいです。

 カタカナや漢字も基本音読で攻めています。カタカナは全く読めないので、
一時期「カタカナカード」を使ってやっていましたが、まったく息子のモチベーションが上がらないので辞めました。それでもカタカナ漢字もだいぶ覚えてきました。

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漢字に関しては、通っている韓国のローカルの学校で漢字の授業を受けていることがプラスになっているみたいです。簡単な漢字なら読み方はわからなくても意味はわかります。

 二年生の教科書に突入

そんなこんなで1年生の教科書は終わり。2年生の教科書に入りました。急に難しくなるような感じではありません。音読を継続です。

ただ、こちらもいろいろと忙しくなってきたりして、十分に勉強の時間をとることができなくなってきました。また教科書に出てくる読み物も少しずつ長くなってきました。

そこで、宿題を課す方法に変えました。

やり方は簡単。前日一緒に音読した部分を一人で音読をし、それをスマホに録音しておくというものです。

私は時間があるときにそれを聞き、うまく読めなかった部分などを簡単に印をつけてフィードバックをします。そして、その翌日も同じように録音宿題をさせます。

これは悪くないです。大体見開きの2ページ×3くらいの分量を一回分として課していますが、時間的には7分くらいで読めます。この7分も二人で一緒にやろうとするとなかなか実現できないんですが、宿題にすると毎日やってくれます。

難しいところ

文字を覚えたからといって、スラスラと国語の教科書を読めるようになるわけではありません。特に日常会話ではあまり使わないような言い回しを読むのは難しいようです。

例えば下の写真のマークしたところです。

「こしを下ろしていました」とか「家へ帰らなくっちゃ」というのは私が使う生活語彙には入っていません。「座る」とか「家へ帰らなきゃ」は使うと思いますが。やはりそういう「日頃あまり聞かない言葉」はうまく言えないことが多いです。

また見切り読み(という用語があるのかどうかはわかりませんが)をしてしまうことも多いです。例えば「いえへかえらなくっちゃ」と書いてあっても「うちにかえらなきゃ」と読んだりするということです。

意味は把握できているということですから、いいのかもしれませんが、「文字を文字のまま読む」というよりは「頭の中で意味を考えてから声に出している」ようです。

ちょっと作文

読みだけで手一杯な部分はあるんですが、書くのも練習しなければ絶対できないと思いますので、少しずつ取り入れるようにしています。

とりあえず今は「今日あったことを一文だけ書きなさい」というものです。

「今日はごはんを食べました」とか「今日は寒かったです」とかそのくらいです。それでも満足にかけないので、直してあげて、最後には見ないでかけるようになるまでやります。

これも劇的な進歩があるわけではないですが、ひらがなもその戦法でコツコツやって読めるようになりましたから、書く方もどうにかなるのではないかと思っています。

3年生の壁

↑のような言葉を聞いたことがあります。3年生くらいになるとちょっと勉強が難しくなるということです。おそらく国語なども具体的な言葉の他に抽象的な概念を表す言葉などが出てきたりするのでしょう。

今、うちの長男は3年生なのですが、国語の教科書は2年生の下の教科書をやっています。一年遅れというわけですね。もう少ししたら3年生の教科書に入るわけですが、どうなりますかね。とにかくそんな漢字でゆっくりと勉強しています。

以上、長男の勉強法について少し書いてみました。ガッツリとした時間が取れない人は音読だけでもやるといいかもしれません。

間違いだらけのバイリンガル教育②」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: 間違いだらけのバイリンガル教育① – さくまログ

  2. ピンバック: 【レビュー】『バイリンガル教育の方法』 – さくまログ

  3. ピンバック: バイリンガル教育における「氷山説」という言葉を聞いて思い出した話 | さくまログ

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