語学スクールのオンライン日本語授業について考える

投稿者: | 2020年4月17日

みなさま、お疲れ様です。きっと慣れないオンライン対応に追われている方が多数派かと思います。私もその一人です。

個人としては以前からオンライン化に興味があり、オフラインのクラスでもオンラインツールを使ったり、時にはオンライン授業もおこなったりしてきましたが、学校全体のオンライン化について考えるのは初めてです。

同期型と非同期型

み〜んなオンライン対応を迫られているので、Twitterをはじめとするネット上ではこの話で持ちきりです。私も「ふむふむ」と感心しながらいろいろな人が教えてくれる知識や情報を読んでいるのですが、とりあえずわかってきたのは

オフラインでやっていたことをそのままやっていたことをオンラインに移すだけではだめ。

ということでしょうか。ZOOMをはじめとするビデオ会議システムを使えば、オフラインでやっていたことをそのままオンライン上で実現することが可能ですが、それじゃあだめだということですね。例えばこれ↓。

ZOOMで講義をしてはいけません(むらログ)

じゃあどうするかというと、同期型と非同期型をうまく組み合わせるということですね。同期型は簡単に言うと「リアルタイムのセッション」で、非同期型はいつでも見られるような「ビデオ」や「文字ベースの資料」などでしょうか。

大学・公教育と語学スクールはまた違うのでは?

ネット上では、そういった同期型と非同期型の活動を交えた授業の説明などがいろいろあるんですが、だいたいそういうのを発信しているのは「大学」の先生とか中学や高校のような「公教育」関連の人が多いような気がします。

こういったところの授業であれば、反転授業みたいなものも以前からやっている人もいましたし、そもそもそういう同期型と非同期型を交えたもののほうが良い教育っぽい感じがしますよね。

でもですね、例えば月謝を払って通うような語学スクールの授業となると、また違ってくるような気がします。大学や公教育の学生さんは、それが本職(つまり職業何?と聞かれたときに「学生です」と答える人)の人が多いと思いますが、語学スクールは自分の本職(所属の中高や、会社など)が別にある人が多いです。

そこで予習や時間外の学習を前提とするような教育プランって組みにくい気がするんですよね。

また、多くの場合そこに通っている人はコスト意識が強いです。もちろん大学なども学費を払って通うわけですけど、みなさん大学生の頃「休講!」ってなると喜びませんでしたか?「補講」なんて「なくてもいいよ!」と思いましたよね。

でも語学スクールだと「休んだ分は補填」しないといけません。そういった環境で同期型と非同期型を交えるのって慎重にいかないといけません。下手をすると「金返せ!」って言われてしまいますからね。

非同期的活動もリアルタイムで

私の所属している機関はいわゆる語学スクールです。一つの授業は90分と決まっています。だからやはりオンライン転換をするとはいえ、リアルタイムにこだわることにしました。実はまだ学期ははじまっていないのですが、今のところの計画をちょっと文字にしてみます。

・プラットフォームとしてはFACEBOOKグループを使う。
・同期型セッションではZOOMかGoogleMeetを使う(検討中)。
・非同期型の活動は基本ビデオ講義とする。

さあ、授業がはじまりました。夜の授業は18時からはじまります。18時ぴったりにFacebookグループに予めとっておいたビデオを投稿します。

ビデオではその日の学習項目(文法や語彙など)を説明しています。ビデオの最後には学習者への指示が有ります。「何ページと何ページのの練習問題をやってください、そして18時20分になったらこのURLに接続してください。」とビデオ会議への接続方法を示しておきます。

18時20分に続々と学習者がビデオ会議システムに接続してきます。さきほど提示しておいた練習問題の答え合わせをします。また学習者からの質問に答えます。

続いては会話練習です。もし可能なら小グループ(ブレイクアウトルーム)に分かれておこないます。練習した上で、できるようになったら組からメインセッションに戻ってきて先生のチェックを受けたり、おしゃべりをしたりします。

そこまでで45分。授業は90分ですから、これを2セット繰り返します。

ネット環境対策

まあ、必ずしも45分で毎日区切れるとは限りませんし、中には会話練習がしにくい課もありますので、あくまでもイメージとして考えてください。

最初コースプランを考え始めたときには「学習者は90分間同期型のリアルタイムセッションじゃないと納得しないんじゃないだろうか」とも考えました。が、先生同士で模擬授業などをやって進めていくうちに一つ問題が見えてきたのですが、それが、

インターネット接続の問題

でした。先生が文法の説明をしていても、ここぞというときに音声が途切れたりするんですよね。そうなると、「もう一回説明してください」となりますし学習者が発言する場合でも同じです。電波が悪いからとはいえ、学習者の発言を無視するわけにはいかないので、そのケアだけですごく時間が取られるな、と思ったんです。

これは、まあ、私の住んでいるカンボジアのネット環境というのが大きいと思いますが、とにかくリスクを最小化するためには「ビデオ」のほうがよいだろうと思いました。

また、ビデオにしておけば、リアルタイムセッションに参加できなくても授業のポイントについては後からの視聴で理解できますよね。

あとは授業を進めていくうちに余裕が出てきたら、ビデオ以外の非同期型の教授方法や、文字ベースの同期型課題(Googleフォームなど)なども少しずつ入れていきたいと思っています。

こんな感じで、「すべてリアルタイムのセッションではないけど、授業のコンテンツがすべてリアルの授業時間内に収まる」ように考えれば、語学スクールなんかでもオンライン対応がうまくいくんじゃないでしょうか。

ちなみにビデオの動画はこれ↓で撮ればいいかな、と思っています。

動画がかんたんにとれる「LOOM」

また開講したら修正点が出てくると思うので、その都度ご報告します。

※ちょっと新しいアイディアなどを期待された方、特に目新しいことを提案していなくてすみません。最後まで書いたら結構普通の内容になりました。

語学スクールのオンライン日本語授業について考える」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 組織としての準備 オンライン日本語コース(2/2) | さくまログ

  2. ピンバック: 反転授業とオンライン授業は相性が良い | さくまログ

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