演劇とか寸劇を利用した日本語授業とかありますよね。それをビデオとかに撮ったりして。
でも後で自分がでている動画を見直すのが恥ずかしかったりします。私などは自分で動画をとったり写真をとったりしながら教材を作っているので、全然恥ずかしくもないですが、それに慣れていない学習者が嫌がるのは理解できます。そこで、「顔出しなし」の活動を考えて実践してみました。
学習者:30人くらい
レベル:韓国の日本語専攻大学2年生・上はN1から下はほぼ初心者まで
手順
①学習者を4~5人程度のグループに分ける。
②N3レベルの文法項目を学習者たちに提示する(「~ずにはいられない」とか「~ようがない」等)。
③その文法項目が入った簡単な会話スクリプトをグループごとに作らせる。
④私によるチェックの後、その会話をスマホで撮影。
⑤私にその動画及び会話スクリプト・その韓国語訳を送らせる。
これで授業内の活動は終わりです。
後日、受け取った動画を私が編集して学習者たちとシェア。
↓この動画がその一例です。
基本的には動画作成をした翌週の授業で、その前週に作った動画を鑑賞しました。
ポイント
この活動の最も良いところは、学習者間に圧倒的なレベル差があっても、役割を分担することによって協力し合える点です。会話を作るのはやはり上級者にゆだねられるケースが多いですが、日本語ができるからと言っておもしろい会話を作れるとは限りません。日本語能力が相対的に低い学習者でも会話の流れを考えたりもできます。
4,5人のチームで、一人が台本の元を作り、一人が日本語に直し、一人が演じ、一人がビデオを撮るというような役割分担が自然となされます。
また、「N3レベルの文法」にしたのは、それを目標にするレベルの学生が多かったからです。基本的に「スクリプトは覚えて演じる」ということにしました。
そして、中間考査や期末考査の問題もこの動画とリンクさせ、自分たちの作ったスクリプトや動画から試験問題が出題されるという形にして動画の視聴や活動への参与度をあげる試みをおこないました。
もう少し縛りが必要
これを毎週1回ずつ、一回につき各グル‐プ2動画の作成というペースで一学期間続けたのですが、最後の方には飽きが来てしまいました。
また、最初の方は学生たちも試行錯誤で時間がかかっていたのですが、終わりの方になると「やっつけ仕事」でもできるようになり、グダグダした感じになりました。なので、慣れてきたころにはある程度縛りをつけるといいかもしれません。スクリプトの長さの縛りや、語彙のしばり、場面の縛りなどを入れるといいでしょう。
成果物
この活動の是非は置いておいて、ともかく何か成果物を毎回出させる、というのはいいな~と思いました。やっぱやったもの(こと)が形になると達成感があります。