君はどんなSNSやってる?~学習スタイルの違いを考える~

投稿者: | 2018年10月10日

先日、Facebookを見ていたら、同僚が「外国語学習の肝を説明する」ようなYoutube動画を紹介していました。その動画のリンクと共に、「三番目の話は本当に同感」みたいなコメントがあったんですね。日頃頼りにしている同僚が「同感」と褒めているわけですから、それを見てみようと思い、リンクをクリックしてみました。

Youtubeですからもちろん動画です。三番目ね~と思って目星をつけて動画を早送り。この辺りが三番目の話かな~とか考えながら再生箇所を何度も変えたんですが、それが三番目の話なのかどうなのか、全体を見ないとわかりません。そのうち面倒になってきました。

文字で書いてくれればすぐにわかるのに!!

ブログなどであれば「三番目の話」を見つけるのは簡単です。動画になっているからそれが難しいわけです。

でも、こういうのを上げて、そこそこ再生数があるということはこういうのが好きな人もいるんだろうな~ということですよね。

テキスト系?画像系?動画系?

あ、そうか、自分がテキスト系なんだな。そういえば最近主としてやっているのはTwitterだし。これはまさにテキスト系ですよね~またFacebookも結構やっています。これはテキスト系か?動画系か?などと言うよりは関係形成系のsnsですよね。

私の妻はFacebookやTwitterといったSNSをやっていません。で、唯一やっているのがInstagram。これは明らかに視覚系・画像系、ですね。

本人はあまり投稿はせず、見るのが専門みたいですが、スマホいじっているときのほとんどはインスタを見ています。料理とか、インテリアに関するものが多いように思いますが、確かに料理やインテリアなどは「百聞は一見に如かず」ですから画像系に流れるのは当然です。

翻って私の子供たち。小3と年中ですが、明らかにこの子たちはYoutubeです。子供向けのYoutuberの投稿するものなどを見ていますね。最近はスーパーマリオオデッセイにはまっていますから、このゲーム解説動画などを喜んでみています。これもテキストや画像ではなかなか表現が難しいので、動画になるのは当然でしょう。

また同じSNSでも使い方が違うものがあります。例えば、中国の人とWechatでやりとりをすると、音声メッセージを送ってくる人が少なくないです。文字を打つ代わりに話したものを録音して送るんですね。

これ、韓国ではまず見たことがありません。はじめはその人だけかな~と思ったんですが何人もそういう人がいました。また、そうじゃなくて最後まで文字打ちの人もいます。「打つのメンドー」って言う人もいれば、「話す方があれだわ」って言う人もいるということですね。

というわけで、興味の持ち方やその人の性向によって主として接するsnsや、そのSNSの使い方が変わってくるわけですよね。もちろんSNSはその人が所属する文化圏の影響も受けるでしょう。

例えば韓国ではカカオトークが全盛で私もやっていますが、やりたくてやっているわけではありません。別にやりたくないわけではないですが、「おれはLINEやるわ」となると生活に支障が出ますよね。だからやっているSNSが全てその人の性向や興味の方向と一致するわけではないですが、やはりその人が多くの時間を費やしているSNSを見ると、少しずつその人の人となり=スタイルが見えてくるのではないでしょうか。

自分のやり方が最善かどうかはわからない

さて、この話と日本語教育との接点です。

外国語というのは四技能と呼ばれるように、その人が何を学びたいかによって接する媒体というのも変わってきます。

英語の専門書を読みたい人は文字を読む練習をたくさんするでしょうし、会話ができるようになりたい人は動画を見たりすることでしょう。また、特にはっきりとした目的がなくても、その人のそもそもの性向によって「とりあえずニュースでも読むか」「とりあえずニュースでも聞くか」というように自然と学習に使う媒体は変わってくるはずです。

私は同僚が紹介してくれた動画を見ようとして腹を立てたわけですが、外国語学習の肝なんかは動画で説明してくれたほうがよくわかる、ような人もいるんですよね。

↓そういえば先日も以下のような投稿がありました。

これは本当に大事なことですよね~

例えば私は授業中に「クイズレット」を使うことがよくあります。最近ではカタカナを覚えるときに使うツールとして学生に提示しました。学生には「今から10分時間上げるから、ここからここまで読めるようにしてみてください」と指示を出します。そのときに「ウェブサイトにクイズレットのフラッシュカード作っておいたからこれを利用してもいいです」と言います。

Quizlet Liveを日本語授業で使ってみた。

でも、そのときに注意として、「もし手で書いたほうがよく覚えられるとかいう人は別にクイズレットを使う必要はありません」「私がクイズレットを提示しているのはあくまでも提案です。これが合うなら使えばいいし、そうじゃないなら自分に合ったやり方で覚えてください」ということを言うのを忘れないようにしています。

ちなみに、上のようなことを言うと5年くらい前はあまりクイズレットを使う学生が多くなかったような印象ですが、最近やると8割くらいはクイズレットを使っているような気がします。「スマホで学習」が少しずつ普及してきたということでしょうか。

学習スタイル診断で自分の把握を!

というわけで、教師としては学習者には学習スタイルの多様性があることをしっかりと理解しておく必要があるわけですが、そんな基本的なことでも時として忘れてしまうことがあります。特に子供の勉強を見ている時などには自分のやり方を頭から押し付けそうになります(ブチ切れた後にいつも反省しています)。

というわけで、教師も学習スタイルを診断して、「私はこういう傾向がある!」と明示的に把握しておく必要があるのではないでしょうか。

と、偉そうに言っていますが、これはむらログの村上吉文先生の受け売りです。以前村上先生が講師のオンラインコースを受けたときに教えてもらったものです。

学習スタイル診断サイトを活用しよう!(むらログ)

↑このむらログのサイトから、学習スタイル診断サイトへ飛べるリンクがいくつかあります。まずは、自分がどういう傾向を持っているのか知っている必要もありますね~こういう診断結果は人と比べるといいです。私は同僚たちと一緒にやって、その結果を見ながらなんやかんや話しましたが、その人をある程度知っているだけに「やっぱりね」とか「へえ意外」というのが見えて、おもしろかったです。


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  1. ピンバック: カルチャーマップから考える日本語教育 その0 | さくまログ

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