同僚がなかなかおもしろそうな授業をやっています。
内容は簡単。グループになって日本語で「ちょっとおもしろい話」をするだけだそうです。例えば「人志松本のすべらない話」とか、そういうのを想定してもらえるといいかと思います。
それを日本語でやるわけですから、ある程度の日本語能力は求められます。しかし、同僚に言わせると、「談話を構成するための最低限の日本語能力は必要だが、その話がおもしろいかどうかは日本語能力に比例しない」そうです。じゃあ、何が決め手になるかといえば「オチ」というものを理解しているかどうか、「オチ」をつけられるかというあたりみたいです。
「オチ」というのは我々日本人にとってはごく当たり前の概念かもしれませんが、どうやらなかなか諸外国にはそういうものはないそうです。例えば韓国語でも「オチ」に相当する言葉はありません。
日韓辞典を引いてみても「落語などにおいて、最後におもしろいことを言って話を終わらせる部分のこと」といった説明が書いてあります。
同僚も「オチのつけ方」について実際の談話を例に上げて解説し、講義をするらしいのですが、やはり飲み込めない学生は飲み込めないらしく、文字通り「オチのない」話に終始する学生も少なくないようです。
コンテスト
授業では「面白い話」をさせるわけですが、そのさきに見据えているものはコンテストだそうです。「わたしのちょっと面白い話コンテスト」というものがあって、受講している学生みんなが応募するのだと言います。
覗いてみるとわかりますが、ただのおちゃらけではなく、
「日本学術振興会の科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)による研究プロジェクト」
なのだそうです。すご~い!
民間話芸研究の文脈でこのコンテストは運営されているんですね。日本語母語話者だけでなく、非日本語母語話者も参加できます。
コンテストはビデオでの応募になります。特にどこかに赴く必要もないので、誰でも気軽に参加できます。ただ、応募者は実験への参与という形になるので「被験者」として、契約書のような合意書にサインして、それを動画と共に主催者に提出することになります。
記念ジョッキに向かって
というわけで私も同僚に便乗してビデオを撮ってもらいました。とりあえず、「オチ」はつけました。「オチ」に至るまでの伏線も張っておきました…おもしろ談話構成の最低限のマナー?はクリアしたと思っていますが、それがおもしろいかどうかはわかりませんね。まあ、なんでも参加することに意義がありますからね(今はまだ審査も受けてない段階ですから公開はできません)。
2018年は11月30日まで応募を受け付けているそうです。また、毎年開かれているみたいなので、これに間に合わなくても次に参加してもよいでしょう。横で授業やっているのを見ていると、大変そうですが、なかなかおもしろそうです。学生にやらせるなら、教師もやる。学生が10人でもいれば、おそらく一人くらいよりは教師より面白い話ができるでしょう。
ちなみに入賞すると、賞品がもらえるそうです。今年の賞品は「記念ジョッキ」ということですが、きっとただのジョッキではないと睨んでいます。同僚のクラスから入賞者が出たらジョッキも見られます。期待しています。
とりあえず、過去の受賞作なども見ることができるので、覗いてみられてはいかがでしょうか。