「やさしい日本語おしゃべりカフェ」終わりました。

投稿者: | 2019年5月11日

2017年9月から私が運営していた「やさしい日本語おしゃべりカフェ」、通称「やさ日カフェ」が、とうとう昨日幕を閉じました。

この詳細に関しては以下のリンクでご覧になりますが、簡単にいうとZOOMで日本語学習者たちと日本語でおしゃべりをするというイベントです。

ZOOMで日本語おしゃべりイベント
やさしい日本語おしゃべりカフェ
【やさしい日本語おしゃべりカフェ】が当面目指すところ
ZOOMを使った「やさしい日本語おしゃべりカフェ」1周年!!

ほぼ週1で約一年半続けてきた企画なのですが、5月10日を以て一旦終了する運びとなりました。

なぜ終わるのか?

いくつか理由がありますが、最も大きい理由は私が時間を確保できなくなったということです。

私はこの3月から活動の場を韓国からカンボジアに移しました。韓国の大学に勤務していたときは週に一度授業がない日があって出勤しなくてもよかったのです。その時間を利用して「やさ日カフェ」をやっていたんですが、今の職場ではそれもありません。職場環境ががらっと変わり、時間を捻出するのが難しくなりました。

また、その他の環境の変化も要因の一つです。この「やさ日カフェ」の参加者は、Facebookグループ「日本語コミュニティ」上で募集をしました。理屈としては全世界どこの誰でも参加できるのですが、参加者のほぼ100%がこのコミュニティから来た人たちです。

今話題のFacebookグループ「日本語コミュニティ」とは?

このコミュニティは日本語学習支援を旗印に運営されているのですが、ちょっと前から「いつでもドア」という企画が例によって村上先生から生まれました。

24時間Zoomの2つの注意点(むらログ)

これは24時間いつでも入れるZOOMのルームを設定しておいて、日本語学習者が気が向いた時におしゃべりをする場を提供するというものです。昔流行ったチャットルームのおしゃべり版と考えればいいですね。私には全くなかった発想で、びっくりしました。そしてそれと同時に「やさ日カフェ」も役目を終えたかな、とも思いました。

データ大公開!

とにかくそんなこんなで、この度1年半の歴史に一旦ピリオドを打つことになったわけですが、その間私は割と詳細なデータを記録に残しておりました。それについてもちょっと言及したいと思います(後述しますが、ここ数ヶ月は他の方にホストを代わってもらっていました。そのデータはここには含まれていません)。

  • 期間 2017年9月1日〜2019年2月15日
  • 回数 61回
  • 延べ参加者数 421名
  • 異なり参加者数 113名
  • 平均参加者数 6.9名

参加してくれた113名のうち約半数の58名が1回だけの参加でした。ということは55名は複数回参加したということです。このように、リピーターの多いイベントとなりました。参加回数の多かったベスト10を見ると、

48回、37回、30回、29回、25回、23回、17回、12回、8回、8回

となっています。なぜリピーターが多かったかは簡単です。開催曜日、時間がほぼ固定されていたからです。

ちょっと変えた時もありましたが、基本的に日本時間の「金曜日のお昼の12時」におこないました。時間が固定ということは、それだけで広く参加者を集められないということにつながります。

例えばこの時間はヨーロッパやアフリカでは夜中の時間に当たりますので、この地域からの参加はほぼ見込めません。また日本では平日の真っ昼間ですし、多くのアジア地域でも午前中ということで、普通に仕事をしている人の参加は見込めません。

参加者上位の人の住んでいる地域を見ると、台湾・ホンジュラス・韓国
・モンゴル・ミャンマー・インド・ロシア
でした。ホンジュラスでは夜の8時くらいなので割と参加しやすい時間です。他の地域の方はフリーで仕事をしていたり、時間のある大学だったりしました。

また、台湾からは非常に多くの参加者があったのですが、その多くはシニア層でした。定年退職をして趣味で日本語を学習している人たちですね。今回の発見の一つはそれです。どうしても日本語教育の現場は若者が学習者になりやすいのですが、こういうシニア層も一つの勢力としてあるんですね。こういうのをターゲットにした企画は今後とも需要が増えていくと思います。

誰でもいずれかはシニア世代に入るわけですが、年を追うごとにネットリテラシーとかITリテラシーは高まることが予想されます。今の60代、70代の中にはスマホやPCを扱えない人々も少ないと思いますが、これからのシニア層はまた変わってくるでしょう。

その他特筆すべきこと

今年の2月15日を最後に私はホストをやめたのですが、このイベント自体は5月10日まで続きました。それは私の代わりにホストを務めてくれるかたが現れたからです。

それが佐藤さんです。佐藤さんとはもともと別の勉強会で出会ったのですが(もちろんオンライン)、その時に私がこのイベントのことをちらっと話したところ関心を示してくれ、5回ほど参加してくれました。

私がイベントの中で「ちょっと今後は忙しくなるのでやさ日カフェの運営は難しくなる」と言ったところ、それに反応してくださり、なんとご自身から「私がホストやってもいいです」と志願してくださいました。

佐藤さんにはじめから目星はつけていたのですが、「やってくれませんか」というのも気が引けるなあと思っていました。そんな矢先佐藤さんの方から「やってもよい」という提案を受けたので、まさに渡りに船でした。

結局佐藤さんは2月の下旬から5月10日までの10回ほど、ホストをつとめてくださいました。このときのデータはとっていないのですが、Facebook上の報告を見る限り、私がやっていたときよりも参加者は増えているようでした。もともと半分ボランティア精神で始めたものですので、参加者が増えてみんなが満足してくれるというのはこちらの望むところです。

また、私がやっていたときは、リピーターのほとんどが男性の参加者でした。男性だけの回が半分以上を占めたと思います。それはやはりホストである私が「おじさん」だったことに影響していると考えられます。もし私が紅顔の美少年だったら女性の参加者も増えたと思いますが(笑)

案の定、佐藤さんに変わってから女性の参加者が増えた印象を受けました(あ、佐藤さんは女性です)。そういった意味で、ダブルホストはいいなあということもちょっと考えたりしました。

今後

というわけで、一年半の歴史に幕を下ろした「やさ日カフェ」ですが、実はこれで終わりというわけではありません。

佐藤さんは仕事の都合で一旦身を引かれるのですが、今後の散発イベントの開催も考えていらっしゃるそうです。もう「やさ日カフェ」は私の手を離れたと言ってもいいでしょう。

今後は私がどのような形で関われるかはわかりませんが、イベントの他のあり方も模索していくつもりです。やはり毎週一人の人間がホストをつとめるというのもなかなか大変なものもありますから、数人の人が気が向いた時にホストをやるとか、そういう形になればいいと思います。

とりあえず一旦幕は閉じましたが、「一旦」です。また時代に即したおもしろいイベントを作っていきたいと思います。

参加してくださった皆様、場を提供してくださった「日本語コミュニティ」関係者の皆様、関心を示してくださった皆様、そしてホストを引き継いでくださった佐藤さん、本当にありがとうございました!

「やさしい日本語おしゃべりカフェ」終わりました。」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 「ZOOMを使って授業ができるようになる」研修会を開いたよ | さくまログ

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