スマホ持っていてくれてありがとう!

投稿者: | 2020年5月27日

私の職場でもオンライン授業をやっています。私自身は授業をしていないんですが、サポーターとして「中級会話」という授業に関わっています。

私を含めた3人の講師が同じクラスに接続し、一人がメイン講師を務め、あとの二人はメイン講師のサポートに当たるという役割分担です。私はサポートしかしていないんですが二人のメイン講師のやることを横目でずっと見ていて、非常に勉強になります。

例えば先日書いたのはこれ↓。やはりこれもメイン講師の授業のやり方をみて気づきました。

また、昨日も同じような気付きがありました。

授業前後の様々な活動

昨日の授業でも、その前日にメイン講師のM屋さんから学習者に対する予習を促す連絡がありました。見てみると、Kahoot!のリンクがついていました。Khoot!はいつからか知りませんが、Challengeモードというのができて、自分のタイミングで「時間差のクイズ大会」に参加できるようになっているんですね。

今回は「風邪や病気の症状を言えるようになる」というのが授業の目標で、そのための準備としてKahoot!を使ったのでした。ただ単語や表現を確認するためだけのものですが、事前にこういうのをやって授業に臨んでくれると、授業時の講師の負担がかなり減ります。そして真面目、というか向上心の強い学習者の中には複数回挑戦してくれる人もいます。

また、私達はFACEBOOKのグループで講師陣と学習者がつながっていまして、授業後のインストラクションもあったりします。この前は「旅行」がメイントピックだったのですが、おすすめの観光地の口コミを旅行サイトのような形式で書き込むというのもありました。

Kahoot!にしても、FACEBOOKでの書き込みにしても、「そういうのを今更?普通じゃない?」と思われるかもしれませんが、最近よく聞く悩みの解決はここにあるのではないか、と思いました。その「よく聞く悩み」というのは、これです↓。

学習者がスマホしか持っていないんです!

なぜスマホだと困るのか?

学習者がスマホしか持ってなくて何が困るのか、その理由には大きく2つあると思います。

1つ目は「字が小さい」ということでしょう。だったら字が大きい資料を配ることです。これで一つ解決しました(笑)。

そしてもう一つの困る理由が「さまざまな活動ができない」ということです。例えば、ビデオ会議システムで授業をやっていて、そこから別のツール、例えばKahoot!とかに移動して問題をやってもらうとかが、スマホだと難しいということですよね。

それはそのとおりです。おそらくそれは「スマホのスペック」と「学生のITリテラシー」が共に高ければあまり問題になりませんが、普通大体問題になります(笑)。

で、その解決策なんですが、簡単なことです。もし、ビデオ会議システムを使って授業をやっているなら、その授業の間は他に飛ぶような設計をしないということです。なんと簡単な解決策でしょうか。

非同期的な活動って?

オンライン授業の設計でよく言われる言説の一つが、

非同期に回せることはできるだけ非同期に回す

ということですね。私も同意します。で、非同期的な活動って何よ?と考えた時、一番最初に出てくるのは「ビデオを作ってそれを見てもらう」ということだと思います。そう思いませんでしたか?

でも、非同期的な学びって動画だけに限らないんですね。Kahoot!で前もって単語を学習してもらうのも非同期的な活動だし、授業後に旅行の口コミを書くというのも非同期的な活動です。

学習者がスマホしか持っていない場合は、あれもこれも、じゃなくて、まずは同期的な活動ができるというその一点にまず感謝し、あとは粛々と非同期的な学びの充実に力を注ぐのが良いんじゃないかな~とサポーターとして参加しながら思いました。

そういう非同期的な活動は、おそらくやっている人はこの「オンライン祭り」になる前からやってました。そして、そういった活動は学習者がスマホしか持っていなくてもできるもの、というよりはむしろ、スマホを持っていてくれるからこそできる活動だったわけです。いつの間にか私たちは、学習者に多くのことを期待しすぎるようになりました。

まとめ

というわけで、非同期的な学びは動画だけじゃないということ、今まで普通にやってきたことを配列しなおし設計することで質の高いオンライン授業が実現されるのではないか、ということを言いました(言ったつもりです)。

うちの学生はみんな富裕層の子弟で、20万円くらいのハイスペックPCでリアルタイムセッションに参加しています!っていう場合は除き、あんまりあちこち飛ばない授業を設計する、ということはけっこう大事なんじゃないかな、と思いました。スマホしかない!じゃなくて、スマホ持っていてくれてありがとう!で行きたいものです。

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