去年以下の記事を書きました。
この本↓についてですね。
ここで私が得た一つの結論は以下です。
学習者の出身国(地域)によって教育方法を考えるべきである。
そんなこと知っている、という人も多いと思います。例えばいろいろな国から学習者が来ている日本の日本語学校で働く人は、体感的にそういうことをわかっていると思います。「○○人は〇〇のような学習方法を好む」とか「〇〇人は○○のような活動は不得手である」とか。
しかし、問題はみなさんが知っているかどうかではなくて、私が知らないということです(笑)。また、駆け出しの人なども知らないかと思います。で、この場をお借りして(っていうか私の場ですが)、そのいろいろについてまとめておきたいと思いました。
この本では8つの項目について「○○国の人はこういう傾向がある」ということがまとめられています。その8つの項目一つ一つについて整理していきます。そして、こういう傾向のある国の出身の人には日本語教育場面ではこういったアプローチをとるのが良いであろうというのを考えていこうと思うのです。
同じ国の出身だからといって個人差のある一人一人を十把一絡げに扱うのはどうか?というご批判もあろうかと思いますが、そのことにつきましては冒頭で上げた私の過去の記事に書いてありますので、そこをご覧いただければと思います。
学習者の「スタイル」
以前、↓のような記事を書いたことがあります。
ここで述べたことは、音から覚えるのが得意な人もいるし、書いて覚えたい人もいる。教師は自分自身の学習スタイルが絶対的だと思いがちだが、外国語学習のスタイルは一人一人違うので、それに配慮すべきであるといったことです。
また、↓の記事ではコーチングの概論を勉強した際に、人のコミュニケーションのとり方には大きく4つのタイプがあり、それぞれのタイプ別に対応を変えた方がコミュニケーションがうまくいくという話をしました。
■Udemy 「日本語教師のためのコーチング基礎講座」を受けてきたよ。
なぜ私たちは学習者一人一人の「学習スタイル」「コミュニケーションスタイル」に配慮する必要があるのでしょうか?それはかんたんです。そうした方が授業を含めた教育活動が円滑に進むからです。
別に「それが人間的だから」とか「学習者愛である」とかそういう話は必要ありません。私たちは
所詮、語学教師
ですから、授業をうまく回すためには何をすべきか、を考えれば良いのです。そのための「学習者のスタイルに関する配慮」です。
そして、今日、私が申し上げているのは、「学習スタイル」「コミュニケーションスタイル」に対する配慮と並び、「出身国別スタイル」をもう一度根底から考えていきましょうということなのです。
隠れた目的
私は今カンボジアにいますが、今後も他の国で日本語教育に携わるつもりでいます(希望として)。だから、ここで、国別スタイルと教育方法の関係について考えておくことは、未来の自分にとって+になると考えています。
しかし、それとは別に、「これでセミナーとか開けないかな?」という考えもあります。
これからこの「カルチャーマップ」を下敷きにした8つの指標と日本語教育への適用を明示的に示して、ワークショップなどを開いたら儲かるんじゃないか?などと考えています(笑)。
例えば、A国で日本語教育に従事する日本語教師を集めてワークショップを開きます。A国の人にはどのような特徴があるでしょうか?それをカルチャーマップに沿って議論してもらって、ではA国では「どのような教授法が好まれそうか」「どのような教科書が好まれるか」「どのような宿題が望ましいか」などを参加者で作っていくようなワークショップです。
ちょっとおもしろそうだし、有益だと思いませんか。
また、これは日本国内でもいけると思います。日本の日本語学校にはいろんな国からの学習者がいると思いますが、カルチャーマップを考えたい国別にグループを作ってもらって、Aグループはベトナム人、Bグループは中国人、などというようにグループワークをしてもらって、後でその結果を全員で共有するというような方法です。
当該国のゲストスピーカーなどがいればもっとおもしろそうです。当該国出身の人の考える自国民のカルチャーマップと日本人が考えるその国のカルチャーマップを比較してみるとかも意味のある活動になりそうです。
うーん、自分で言うのもなんですが、儲かりそうな気がしてきました(笑)
まとめ
というわけで、これから続くかどうかわかりませんが、このブログを使って「カルチャーマップ」と「日本語教育」の関係を整理していきたいと思います。項目は8つありますので、少なくとも連載は8回以上、不定期で続くと思います。
…と宣言しておくとちゃんと最後まで書けるかな、などと思いつつ。
つづきはこちら↓
ピンバック: カルチャーマップから考える日本語教育 その1 コミュニケーション | さくまログ
ピンバック: カルチャーマップから考える日本語教育 その2 評価 | さくまログ
ピンバック: カルチャーマップから考える日本語教育 その3 説得 | さくまログ
ピンバック: カルチャーマップから考える日本語教育 その4 リード | さくまログ