先日呼ばれて、のこのこと香港の勉強会に出てきました。
まあ、ゲストとはなっていますが、私はサブですね。メインはYoutubeでおなじみのAyaさんです。
ここでオンラインとオフラインの学生を融合させたハイブリッド授業について、いろいろとしゃべってきました。
言いたかったこと
私がハイブリッド授業について言いたかったことを総括すると以下の一言になります。
できることからやっていく
セミナーでも言ったのですが、私はハイブリッドセミナーを2回ほどやったことがあります。その時は役割を4人くらいで担当してやっとこさやりました。しかもやはりそれでも解決できないポイントもありました。
つまり、オンとオフをつなぐというのはそのくらい難しいわけです。まずその前提で入るべきです。
で、せっかくハイブリッドとかやるわけだから、「オンの学生とオフの学生が入り乱れてハイブリッドの良さを100%生かせる授業」がやれればベストですけど、それはかなり熟達しないと難しいと思います。
だから私たち素人さんがまず目指す点は、
とにかく授業を終わらせる
という点です。
体の一部になるまでがんばる
オンライン授業をはじめた頃のことを思い出してみてください。
たぶん始めは相当オロオロしたことと思います。「画面共有って…」「ブレイクアウトが…ない!」とか、そんなことの連続ではなかったでしょうか。でも経験を積むにつれてだんだんそれが自動化されていきます。今では「授業を進めながらチャットで返信もできる」みたいな人もいることでしょう。
昔オーディション番組を見ていた時のこと。
ある参加者がギターだったかピアノだったか、弾き語りをやっていました。私は非常にうまい、と思いました。でも審査員からのコメントはけちょんけちょんでした。で、一番印象に残っている言葉が、
楽器は体の一部になるまで持ってはいけない
ということでした。つまりですね、「Fのコードは…」とか考えて演奏をしたら、その分歌がおろそかになりますよね?それじゃだめだそうなんです。歌に100パー集中して、なおかつもう「Fのコードは…」と考えずに自動で体が動くくらいにならないといけないらしいのです。プロってすごいですね。
オンラインでも、ハイブリッドでも、機械が体の一部、つまりディスプレイが黒板と同じ扱いになるくらいにならないと、その他の部分がおろそかになります。おろそかになるのは「授業」そのものです。
私たち、オフラインでもそんなに授業うまくできてましったっけ?
ストラテジー
とは言え、ここまでの話は「ハイブリッド授業をやらなければならない人」に対しては、何も言っていないのと同じことです。以下端的にハイブリッド授業をこなすためのストラテジーを書いてみます。
●もしどちらかと言われたらオフの学生を大事にする。
これは経験則から思うことです。自分がオンの立場だと、待たされてもある程度納得できるんですよね。オンだから仕方がないと。
だいたいハイブリッドをやっているということ自体、もともとその機関はオフラインなわけですよね?オンラインが基本の機関ならハイブリッドなんてやりませんから。だとしたら、ゆくゆくは「オフ」に戻ってきてもらいたいわけです。ならば、「オフライン楽しそう!」と思わせるように持っていかないといけないのでは?
一番最悪なのが、オフの学生が「これだったら私もオンでいいわ」ってなることですよね。
もちろん全員に配慮できればいいのは当然です。
●オフラインの学生とオンラインの学生を分けて考える
授業の中には「一方通行的」な場面もあるはずです。例えば文法の説明とかですかね。そんなのはオンの学生もオフの学生も分ける必要はないでしょう。スライドを画面共有して、オフの学生にはそれをプロジェクタで見せます。声がオンの学生にしっかり聞こえているかを気にしつつ、教師が話します。
問題はかつどう場面です。「ではグループを作ってください」とかでしょうかね。こういうのも、まずオフの学生だけにやらせるんですね。もちろん
「オンの学生はちょっとまっててください」
という一言は忘れない(それが配慮です)。そしてオフが収拾ついた後に、オンの学生に「待たせてすまん」という言葉とともにそちらの指示出しに入ります。
とにかくですね、慣れてないことはステップを一つずつ踏まないとだめですね。自由に発言するという授業でも、オンの学生、オフの学生、オンの学生という風に入り乱れると収拾つきません。まずはオフ、次にオン、順番に行きましょう。
●オンの学生とオフの学生の交流
これが難しいんですよね。とりあえずですね、音をどう拾うかを考えておかないといけません。オン→オフの声の共有は楽ですけど、オフの学生の声を一つずつオンの学生に届かせるのはなかなか難しいです。
まあ方策としては、セミナーのときもでました。
・スマホをマイク代わりにする
・会議用のマイクを教室の真ん中におく
・教室用のマイクを使う
それで解決できればそれでいいでしょう。ただ、私がいろいろな話を聞きながら、考えながら思ったことは、
その活動あえてやんなきゃだめ?
ということでした。
違う活動に変える
ハイブリッドの良さを活かす、というのは逆に言うと、ハイブリッドではできないこと(難しいこと)はやらないということでもあります。
私、以前ひらがなの総仕上げでみんなで大声で歌を歌う、という活動を好んでやっていた時期があります。オフラインの授業です。でもオンラインになると、伴奏に合わせて大声で歌を歌うことは無理です。
そこでどうやったら歌を歌わせられるかを考えるよりも、他にひらがなの読みの総仕上げにはどういう活動が適当だろうか、を考えるほうがよっぽど生産的だと思うんですよね。
もう、できないこと、実現が難しいことはやらない。
それでいいんじゃないでしょうか。だってできないんだから。
まとめ
積極的な提案をできなくてすんません。
もちろん、ハイブリッドを生かした活動ってのもいくつもあると思います。でもやはりそれは小技的なものになりがちですよね。もちろん小技も大事ですけど、今日はもっと大きな話をしました。
やりやすいことをやる。
できないことは無理をしない。
できることは何か考える。
そんなところでしょうかね。否定的な感じになりましたけど、できる範囲の中で最善をつくすことを考えたらこのようになりました。
あと、一部の素晴らしい才能がある人は、ハイブリッドだろうが、オンラインだろうがとても上手に授業をこなせると思います。