現地で日本語ネイティブ講師しかいない時の授業の提案

投稿者: | 2021年2月10日

先日、カンボジア内にある、ある機関に行ってちょっと話をしてきました。かいつまんでその機関のことを書きますと、

・数十人の日本語学習者がいる
・先生は日本語ネイティブの先生だけ
・その先生は現地語であるクメール語で授業を展開できるほどの語学力はない

ということです。

直接法で日本語を教える、という方法もあるとは思いますが、その機関は日本語教育に特化した機関ではないので、先生の方も授業準備に時間をそれほど多くの時間を割くことができない、という事情があります。

そこで、以下のような提案を行なってきました。これをお読みの皆様には役に立たないかもしれませんが、備忘録・活動録の意味を込めて、ここに記録をしておきます。

私のした提案

↑おおげさな話になりましたが、近年、教師の役割がだいぶ変わってきたという話からスタートしました。

↑以前の日本語教師は学生の文法の質問とかに的確にこたえるような能力が必要とされましたよね。「~たばかり」と「~たところ」は何が違うかとか?しかし、今ではそんなのちょっとググればだれでも答えに行きつくことができます。もちろん教師としてそういう知識が必要ないということではありませんが、メインの能力としては「文法の知識が多い」よりは「適切な練習をコーディネートできる」方が必要になってきたと思います。

↑授業案を一つ提案しました。もちろん全部が全部取り入れられるものではないですが、以下のプランの一つの要素だけでも取り入れることができたら取り入れてみたらどうでしょうか、というようなスタンスで提案をさせていただきました。

↑まあ、提案と言っても普通ですね。現地語による授業が難しいということですので、文法や単語の説明にYoutubeの力を借りてはどうか?という提案です。ちなみにこの機関では「みんなの日本語」を使用しています。

↑でも適切な反転ビデオが必要ですよね。情報力を駆使して、いくつかの有力なビデオをピックアップしました。この記事の一番下に、元になったGoogleスライドを貼り付けてあります。そこからリンクに飛べますので、気になる方は飛んでみてください。

↑例として、みんなの日本語の第4課を提示しました。こういうのは「みんなの日本語」を使う時の利点ですよね。ビデオも豊富にあります。もちろんこれらの動画は上で紹介したYoutubeチャンネルから抜いてきたものです。

↑さて次に、先生自身がおこなう「教室活動」への言及です。

↑みなさんはご存知だと思いますが、「みんなの日本語 教案」とググると、かなりの数の教案がヒットします。

↑いろいろと良い教案サイトがありますが、その中でも特に私が「むむ」と思ったのがここです。

Langoal.com

↑に入って見てもらえばわかりますが、このサイトでは教案どころか、画像やテストまでが全部公開されているのです!素晴らしいですね。

↑そして私が提案したやり方がこれ。とにかく下手に小細工をせず、教案や教材をそのまま使って、双方向的な会話練習だけをすれば良しという提案です。

↑一応反転授業の提案・提示は終わりなのですが、もう一つだけ「多読」の導入も提案しておきました。

↑多読の概念を説明したあとに、読み物を提示しました。レベル別にわかれていて初級から読む活動を取り入れることができる、ということをいいました。

↑とは言え、本がないと読むことはできません。本を買ってくるのは大変だし、その予算もないのであれば、オンラインでもその読み物を手に入れることができるということを伝えました。

↑そして最後に「例えば」のスケジュールの提示をしました。

↑スケジュールは機関の事情によって変わってくるとは思うのですが、イメージがしやすいように例の提示です。こんな感じで反転授業でみんなの日本語を進め、語彙のバラエティなどは多読で補う方法はどうでしょうか、という提案ですね。

使ったスライド(実際に使ったものとは少し異なります)

上に貼り付けた画像ファイルの元スライドです。リンクをたくさん貼っていますので、気になった人はどうぞ。

まとめ

相手の情報が限られている中で、できる限りの想像力を働かせ、以上のような提案をおこなってきました。

こんなテキトーな授業のやり方、手抜きの授業のやり方はけしからん!とお思いのかたもいらっしゃるかと思います。ただ、全ての機関が潤沢なマンパワーや資金を持っているわけではないんですよね。限られたリソース、限られた条件の中で日本語教育を進めたいという情熱をお持ちの方へ、どうすれば持続可能な日本語授業を提示できるだろうかと考えた上での提案です。

今後、この機関がどういう形で私の提案を受け入れてくれるかはわかりませんが、一つも受け入れることができなくても、私のプレゼンを契機に何か少しでも考えてもらえれば本望だと思いました。

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