日本語能力を測定する方法

投稿者: | 2021年9月17日

「意識高い系」日本語教師の皆さん、今日もスタバでMacを広げていますか?

先日、日ごろからお世話になっている方から、こんな質問を受けました(実際にはちょっと違う)。

うちの会社で働いている職員の日本語能力を定期的に測って人事考課に役立てたいと思うのですが、どのような方法があるでしょうか?

「日本語能力の測定」というとJLPTが一番に思いつくと思います。それもあり得るとは思いますが、年に二回と決まっていますし、申し込みも結構早くから始めないといけません。また受ける方としても休日が半日潰れますしね。

今回はもう少しカジュアルな感じのものを、と思いました。ただ私もあまり知らないのでTwitter界隈の方々にもご協力していただき、軽くまとめてみました。

ここでご紹介するのは以下の4つのテストです。

・TTBJ 筑波日本語テスト集
・JLPTオンラインハーフ模試
・JSST アルクの電話による日本語会話テスト
・JFロールプレイテスト

TTBJ

https://ttbj.cegloc.tsukuba.ac.jp/

◇ポイント
・オンラインで受験できる
・無料で受験できる
・すぐに、どこでも、いつでも受験できる
・結果が点数で表される
・カンニングができない

・団体受付みたいなのもできそう
・全部4択問題
・言語知識を問うもの

詳しいことは、↑のURLに入るとビデオがいくつもありますのでそちらを見てください。

私は存在は知っていたのですが、どのようなものか知らなかったので、実際に試験を受けてみました。オンラインなのにカンニングができないのは、一つの問題につき回答できる時間が決まっているからです。原理的には可能ですが、問題が出てから数秒で回答しなければいけないので、実際には不可能でしょう。

終わるとすぐに結果を見ることができます。以下のようにでてきます。

私の場合は「SPOT」「文法」「漢字」という3つの種類の問題を受験しましたが、どれか一つだけ、ということも可能です。これだけ受けても1時間はかからないと思います。受ける方は時間制限があって、かなり集中力を要するとは思いますが、それでも小一時間で終わるならそんなに負担もないと思います。

あ、両方ともスコアが100点じゃないですけど、これはわざと間違えたんですからね(笑)

JLPTオンラインハーフ模試

https://www.ask-books.com/jlpt-half/

◇ポイント
・JLPTを半分にしたもの
・級別に受験できる
・オンラインで受験可能

・個人では利用できない
・一人あたり500円(割引も?)
・即時採点

個人では利用できないので、私は受けたことがありませんが、「JLPTを半分にしたもの」ですからイメージはしやすいですよね。最も長いN1で85分、最も短いN5で55分で終わります。

料金に関しましては、「1か月利用(1レベル 模試 1セット):本体価格 500円」と書かれています。かかわったことのある方からの情報によりますと、定期的な利用?で割引をしてくれることもあるということです。

JSST アルクの電話による日本語会話テスト

https://www.alc-education.co.jp/business/jsst/

◇ポイント
・口頭能力をはかる

・電話一つで受験できる
・問題は10問
・機械音声相手に話す
・受験料4950円(6050円)

これは個人でも団体でも利用できるようです。ウェブページに書かれている情報を簡単にまとめますと、

受付→決められた番号に電話→音声の指示に従って話をする

という流れのようです。

音声は機械です。発話全部が録音されていて、その録音音声を後で人間がチェックして点数などをつけていくみたいです。採点部分で人力がかかりますから受験料は若干高めですね。スコアレポートのみだと4950円、それにコメントシートが付くと6050円になるそうです。これも団体登録するともしかしたら割引してくれるかもしれませんね(知らんけど)。

↑のリンクから行きますとサンプル音声が聞けますから、試験の実際をイメージしやすいと思います。機械音声のお題について決められた時間内に話をするという感じです。

私の疑問は「電話」というところなんですが、海外からもできるようなんですよね。その場合国際電話をかけるんでしょうか。その辺は時代に合ってない気もしますが、もしかしたら受付をしたら新たな方法を教えてくれるかもしれませんね(これも知らんけど)。

JFロールプレイテスト

https://jfstandard.jp/roleplay/ja/render.do

◇ポイント
・自前でテストをおこなう
・試験官側もある程度習熟する必要がある
・無料(要・自前の労働力)でできる
・口頭能力(やりとりを含む)をはかることができる
・スコアの点数化は難しい
・ざっくりとしたレベルを知ることができる
・約15分でできる
・現場に即した内容にすることができる

ロールプレイを通して口頭でのやりとり能力を判断するものです。↑のリンクに入ると、非常に詳細な情報を得ることができます。マニュアルはガッツリしていて50ページ以上に渡るのですが、日本語教育の素養のある人が試験を務めるのであれば、そんなに難しいものではないと思います。もしそういう人が身近にいる場合には、いいと思います。

結果はA2とか、B1とかそういう形で出ますので、AさんとBさんの微妙の差は出にくいかもしれませんが、まあそもそもどんなテストでも測れることには限界がありますし、そこで出る点数が絶対的なものではありませんからね。

まとめ

というわけで以上4つの試験をご紹介いたしました。表にするとこんな感じになります。

他にも「BJTビジネス日本語能力テスト」などを使うところもある、などの情報を教えてくれる人もいました。そもそも「完全なテスト」というものはありません。何を測りたいか、どれだけコストや手間をかけられるかを考えた上でベターなものを選択する感じになると思います。

※追記

JLPTオンライン模擬試験」というのもあるそうです。JLPTと同じようなテストが、1100円でオンラインで受けられるようです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です