仕事で単発の教師研修をやってきました。タイトルはこの記事のタイトル通り「SLA理論にあった日本語授業を考える」なんですが、基本的に本で読んだ知識をまとめて提示しただけです(あと自分の実践や経験も交えてシェア)。
特に参考とした、というか下敷きとしたのは↓の二つの本です。
「第二言語習得について日本語教師が知っておくべきこと」は去年かなり話題になりましたよね。実は去年の秋くらいに職場で勉強会をしていて、その時の輪読でこの本を数人で読みました。その時の知見とか話し合いをそのままにしておくのはもったいないと思って、外部の研修会にも用いることにしました。
話題になった本ですので、会の内容が参加者の役に立たないのではないかという危惧もしたのですが、事前に聞いてみるとこの本を読んだことがあるという人はいませんでした。ですのでそれなりに参加者の方々にも喜んでいただけたのではないかなあと思います。
実際に使ったスライド
スライドは置いておきますので、必要な人は勝手に持って行っちゃってください。↓のリンクをクリックするとコピーできると思います。許可なく改変して使ってもらって構いません。
■スライド
One Learnwiz
今回はブレイクアウトルームなしで、途中2回ほど意見や質問を書く時間などを設けたのですが、その時につかったのがこのツールです。
どんなツールかと言いますと、簡単に言えばGoogleスライドの質問モード?みたいなやつです。それぞれが意見などを書いたりして、他人の投稿も見ることができて、かつ「いいね!」もできるという。
だったらGoogleの使えばいいんじゃないの?という意見もありましょうが、まあ確かにそうですね。でも、これはあらかじめトピックを決めて、URLとかも固定で使えますし、それなりの利点もあります。もしGoogleスライドを使わないときなどは使ってもいいんじゃないかと思います。結構便利だと思います。
↓は管理者画面の一部ですが、これを見てもらえればどんなことが実現できるのかわかると思います。
しかし余談ですが、ブレイクアウトルームでの話し合いがあると「嫌だ」という人もいますし、今回のように話し合いをなしにすると「話し合いをしたかった」という人もいますし、なかなか難しいですよね。
知識の共有も悪くない
この研修会を準備しつつも「他人の著書をかみ砕くだけの研修会って意味あるのか?」という憂慮がありました。でも、やった感想としたは、
それも悪くない
ですね。世の中には読むべき本はあふれていますので、全員が全員同じ本を同じレベルで読むわけではありません。そんな中で「内容をかみ砕いてくれる」というのは逆に私が受講生だったとしても役に立つだろうなと思いました。
また、私の立場はそもそもそういうことをやることかな、と思います。研究と実践のブリッジって必要だと思うんですよね。まあ、今回下敷きとした本は「専門書」とは言えませんが、「専門的な内容」が書かれている本をわかりやすくかみ砕く人がいてもいいかなと思っています。ていうかそれも必要ですよね。
あと、このやり方でいいところは、責任逃れができるということです(笑)
何か批判的なコメントが参加者から来ても、「いや、私が提唱していることではありませんので…」と逃げることができます。いや、真面目な話をしますとね、それってすごく大事なことなんですよ。
例えば孔子っていますよね?中国の古の賢人です。どうも孔子さんは、その手法をよく使ったらしいんですよ。つまり、「昔の偉い人がこう言ってました」ってやつ。こういう言い回しをすると、反論できないんですよ。仮に「私が偉い人で、私の考えはこうです!」っていうと、論破?の隙を相手に与えてしまうというのはおわかりいただけるかと思います。
今回の研修会は「第二言語習得研究の世界ではこう言われています!」というのを伝えるのが目的で、それをどう利用するかは各人に任されるというものですので、余計にこのような「私が言っているわけではない」系のやり方はいいんじゃないかと思う次第です。
※別に研修会で強く反発された、というわけではありません。みなさんソフトでやさしい方々です。
終わりに
というわけで、最近おこなった研修会のことを書きました。
スライドを見て、納得いかないところもあるかもしれませんが、口で説明することを前提としてスライドを作っていますので、その辺はご容赦ください。