日本語教師の待遇 〜韓国でいくらもらっていたのか〜

投稿者: | 2022年6月1日

もう53回もやっているという日本語教師チャット。

上記のように今回のテーマは、「日本語教師の待遇改善方法は?」だったそうです。

私は残念ながら参加できませんでしたが、いつものようにまとめ記事を興味深く読ませていただきました。

今日はそのチャットのテーマに関連して、私が韓国で日本語教師をやっていた時の待遇についてまとめてみたいと思いました。もう過去のことですのでこれから目指す方にとっては役に立たないとは思いますが、まあ読み物として楽しんでいただければ、と思います。

学院時代(2004〜2008)

韓国では私塾のことを「学院」と呼びます。ただ日本語で「塾」というと「学習塾」という感じがしますが、日本語や英語を勉強するところも学院と呼びます。とにかく、日本でいう「語学スクール」みたいなところも「学院」と呼ぶわけですね。

私が日本語教師のキャリアをスタートさせたのはこの日本語学院(専任)なわけですが、まずそこでの待遇について見ていきましょう。ウォンに慣れ親しんでいない人もいると思いますので、便宜上10ウォン=1円で考えます

月給 10万円(5コマ/1日)
交通費 8000円
住居提供(ただし、光熱費水道代などは自己負担)

自分専用の机あり、PCは共用

あと、1日のコマ数が1つ増えるたびに月給が1万円ずつ増えました(1コマは50分)。

まず注釈としては、場所が済州島というところだったということです。ソウルなどの都会よりは給与の水準は低いかも知れません。ただ、当時の募集ではソウルでもどこでも10万円くらいを提示しているところが多かった記憶があります。実は学院の日本語講師としては普通だったのかな?

今考えると2004年当時の韓国の生活物価は今の半分くらいだったのじゃないかなと思います。例えばバスは60円くらい、昼食にキムチチゲなどをその辺の店で食べると350円くらいだったと思います。

だとしたらこの金額はそんなに悪くなかったのかなと思いますね。単身でしたし、何も考えず飲み歩いてもマイナスになるようなことはなかった記憶があります

当時、この給料を韓国人に言ったら、「そんな安いの?」と言われたことがあります。ただ、普通の地方大卒の人が済州島で働いてもそのくらいの給料だったんじゃないかと思います。若い人の中には月給が8万円です、10万円ですって人が結構いましたから。

ただ、提供された部屋でルームシェアをしていた同じ学院で働くカナダ人は18万円もらっている、と言っていました。伝統的に韓国では英語圏の先生の方が給与が高いようです(他の国も同じでしょうか同)。やっぱ日本人より招聘が難しいからでしょうかね(需要と供給の問題)。

とにかく、同じくらいの作業量で倍近く給料をもらっているカナダ人を羨ましく思ってたような記憶があります。またちなみに当時済州島の大学で専任講師をしていた日本人は確か20万円くらいだと言っていました。やっぱ大学の方が待遇がいいですね。しかも夏休みとかもあるしね。

結局私はこの学院で4年ほど勤めましたが、最終年くらいになると「主任手当」ももらっていたし、あと学院が色々な授業を外部から引き受けてきていて、それを担当したりもしましたので、大体15万円くらいはもらっていたような気がします。

もっともらえたらいいなとは思っていましたが、「搾取されている」と思うことはありませんでした。

非常勤時代(2008〜2009)

その後、結婚を契機に済州島を飛び出し、釜山にやってきました。私は結婚と同時に無職ですから職を探さないといけません。大学で専任になるのがとりあえずの目標だったんですが、なかなかそのチャンスは訪れず、学院と職業訓練校みたいなところで非常勤講師として働いていました。

学院の方は、馬が合わず数ヶ月でやめたんですけど、

1コマ(50分) 1300円
小さい個人ロッカーの提供のみ

でした。それを大体朝の早い時間(7時から10時まで)に3コマやっていましたね。一月の授業日数は20日で固定されていたので、20日×3コマ×1300円=7万8000円 もらっていました。

当時としてはそんなに安すぎるということはなかったと思います。会話のクラスでしたから学習者が5名とかでしたしね。ただね、この学院の賢いところはですよ、学習者が2名以下の場合は、規定の時給を払わないということでした。

一人の一月の学費が多分1万円くらいだったんですけど、学習者が3名を超えないと講師の時給に満たないから学院としては赤字になるんですね。だから学院としては絶対に損はしないやり方だったわけです(2名以下の場合はその学習者の学費を全部講師が持っていくことで給料に変えるというやり方でした)。

それ以外にも非常にビジネスライクなところが多々あり、私は数ヶ月でやめました。交通費も出ませんしね。

もう一箇所は職業訓練校です。日本就職を前提とした学校で、ITなんかを学ぶ学習者に対し日本語教育を行いました。

1コマ(50分) 1500円→2500円
個人の机&PCの貸与

初めは1500円だったんですけど、最終的には2500円まで上がりました。上げてくれってことは一度も言ってないんですけどね。結構な上がりようですね。交通費などは一切なかったけど、初めてPCの貸与をしてもらえて嬉しかったです。印刷もし放題でした(笑)

多い時にはここで6コマとかやっていました。仕事がない時は2コマとかでしたので不安定でしたが。非常勤でしたので授業以外にはあんまり雑用はなかったんですけど、自分が担当する授業のシラバスなんかは作らされました。

でも一緒に働いた韓国人の先生が話のわかる人でしたので、気持ちよく仕事ができましたね。あと、学習者の方から「先生、今日は映画見ましょう」とか言ってくることが多々あり、それだけで授業が終わることもありました。まあ総じて緩い職場でした。

結局この非常勤時代には最高で月30万円もらいました。そのかわり1日9コマとかですから大変ですよね。でも若かったし、学習者や同僚に恵まれたのでそんなに辛くはなかったです。しかし、この時代の最後は日本就職が下火になってしまい、その時は月5万とかの収入でした。

それでもなんとかやっていけたのは、妻がフルタイムで働いていたからですね。これは日本の日本語学校と変わらないのかも知れません。知らんけど。

大学時代(2010〜2018)

そしてその後は運良く大学で専任講師として働くことができました。

月給 23万→30万
PC &研究室あり

最初は23万円でしたが、最終的には30万円までいきました。年収にすると360万円くらいですから一般の企業で働くサラリーマンよりは低いかも知れません。

首都圏の大学なら、もっともらえると思いますが、釜山ではどこもこんなもんじゃないでしょうか。独身の先生なんかは自分で部屋を借りて暮らしていました。この給料なら、すごく裕福な暮らしはできないものの、そんなにカツカツにはならないんじゃないかと思います。ただ、家族を養おうとするには少し少ない給料ですね。専任の良いところは、夏休みや冬休みの授業がない時にも給料が出るということですね。そう言った意味で、私はとても良い待遇で仕事ができたと思っています。詳細は↓を参照してください。

韓国で働く日本語教師の一日

あとPCやプリンターなどを一人一台使えたのは嬉しかったですね。電話もかけ放題でしたしね。最後の方は大学もケチくさくなって、「トナーの交換は自分持ち」「研究室は大人数で」ということになりましたけどね、まあしょうがないですね。数年の間は個人の研究室でやりたい放題できたので、それはいい思い出です。

またこれにプラスして課外の授業などを受け持ったり、個人的なレッスンを受け持ったりもしました。子供が小さかったので、出来るだけ追加の仕事を受けないようにはしていたのですが、断りきれずいくつかやったことを覚えています。

個人での仕事の請負の場合、たどり着いた結論の価格設定は60分3000円でした。それを基準にして、「どこでやるか」「連続何時間やるか」「週何日か」「授業の準備の強度はどのくらいか」を勘案し、割引をしたりしました。

当時、懇意にしていたアメリカ人の先生も似たようなことをやっていたようで、聞いてみると「60分5000円」と言っていました。やはり英語は高く取れるんだな、と思った次第です。

ちなみに、勤務していた大学では日本語の先生と英語の先生で給料体系の違いはなかったようです。

まとめ

以上、愚にもつかない昔話をさせていただきました。

このような待遇(普通の会社員よりは低い給料)でやって来られたのは、やはり配偶者というセイフティネットがあったからとも言えますね。でも今の時代共働きは普通のことですから、取り立てていうことではないかも知れません。

その代わりですね、やっぱ犠牲を払っていましたし。上の子は生後3月から保育園に預けました。そうじゃないと共働きを維持できなかったからです。ですから、逆に言うと、私が「給料が少ない代わりに比較的自由になる時間がある」ところで働いてきたことは、家庭マネージメントという観点からは良かったわけです。私の時間がある時に子供の面倒を見てやれましたから。会社とかで働く男親にはなかなか難しいことだと思います。

待遇問題を語る上でのポイントは「仕事量や拘束時間に比して報酬がどうか」ということになると思いますが、その点では私は一度も不満に思ったことがありません。私はとりあえずここまではラッキーな人間だと思っています。

もちろんこのお話は私個人の話です。韓国の日本語教育業界全体についての話ではありません。そりゃ、ブラックなところもありますよ。そして、私と同じところで働いてきた人ももしかしたら、その待遇についての考え方が違うかも知れません。

そのあたりは話半分ということでご理解ください。

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