↑からの続きです。
ここでは中国への入国から隔離生活の立ち上げまでについて書きます。
深圳空港
飛行機内でいつもと違っていたのは、
・飲食物や免税品販売などのサービスがない
・体温の計測がある
くらいでした。飲食物については、搭乗前に袋にパンや水などが入ったものをもらいました(ANA便利用です)。
予定通り到着しましたが、なかなか飛行機から降りることができませんでした。その理由は、降機後はバスで移動するんですが、そのバスの乗員に人数制限をつけているからだと思います。
ただ、人数制限がなくても、どうせその後の入国の一連のプロセスに時間がかかりますので機内でゆっくり座って待つのが良いと思いました。
その後については、ここでは詳細を示しません。ただ職員のインストラクションに従って、動けばいいだけですから。別に難しいことはありません。
注意点としましては、入国カードの記入が必要(入国審査前に紙がある)、それとPCR検査が行われる、ということです。
PCR検査は一人一人部屋に入れられて行われました。すんごい図太い綿棒を引っ張り出してくるので、「やはり大陸は半端ない」と思い覚悟を決めましたが、なんとその綿棒は鼻ではなく口の中に入れられました。
その時をはじめとして、現在も隔離ホテルで数度となく検査をされましたが、全部口の中の唾液を綿棒で採取する感じの検査方式でした。これは痛くないし、怖くないし、かなり楽ですね。中国全土でそうやっているのかはわかりません。
隔離ホテルへの移動
空港では最後に結構、多分1時間くらい待たされました。大体どの列も「なぜ待たされるのか」わからず待つのですが、事後に何の待ち時間だったのか判明します。
最後の1時間はホテルへの移動のための待ち時間でした。
どうやら、現時点で深圳空港に到着した場合、隔離ホテルはガチャです。国籍や人数、値段などで割り当てされるわけではなく、おそらく前から順番に決まっていきます。本当にガチャなのかはわかりませんが、私が今振り返っても何かの基準を持って振り分けられる場面はありませんでした。
その振り分けをおこなっている職員のPCを覗いてみましたが、「◯◯ホテル ○人」と出ていて、その○人という数字に合わせて、「はい、ここまでね」と列を切っているようでした。
ホテルへは普通の大型バスで移動しました。大きいスーツケースは下に入れて、小さいのだけバス内に持っていきました。
私の隔離ホテルは、空港から遠く、1時間弱かかったようです。多分「深圳駅」の近くです。
ホテルの前で停車しましたが、またそこで20分ほど待たされました。バスはホテルの表玄関の車寄せに横付けではなく、裏口の方に進入し「従業員出入り口」みたいなところで止められました。
そこで大きな荷物をホテルのスタッフが全部下ろしてくれ、消毒地獄が始まりました。思っていたよりはひどくありませんでしたが、その様子をまだ下車が許されない乗客たちがバスの車窓から出し物でも見るように見物していました。
その後は乗客が降ろされ、特に説明もないまま一グループずつ部屋のキーを渡されました。
部屋の割り当て
ここが中国語だったのでよくわかりませんが、総合して考えますと、「14歳以上は一人一部屋」と言っているようでした。同じバスに乗り合わせた乗客の中にはおじさんグループなどがあり、どうやら複数で一部屋を使うと思っていたようですが、「ダメ」と言われていたような感じがします。
翻って、私たちは妻と13歳、9歳の子連れです。
家族だということを告げると、「1ルーム?2ルーム?」と聞かれました。おそらく「2人ずつに分かれるか?それとも一部屋に4人入るか?」ということだったと思います。
私たちは、「大きめの部屋はないか?」と聞きましたが、ないとのこと。では「コネクティングルームはないか?」「それもない」「部屋を行ったり来たりできるか」「だめ」とのことでしたので、
「では4人で一部屋を使います」
と告げました。スタッフからは「狭いけど大丈夫?」と聞かれましたが、しょうがないですね。
ちなみに、乗客の中には私たちと同じような家族連れも何組かいまして、皆さん4人なり3人なりで一部屋を使っていたようです。あと、隣の部屋はどうやら夫婦のようでしたが、二人で一部屋を使っていたようです。
基本、「成人は一人一部屋だが、家族なら二人以上で部屋を使える」ようです。そのためかどうかわかりませんが、「一部屋を複数人で使う誓約書」をその時かかされ、その後「住民票」の提出(写真で送る)を求められました。
但し、他の都市では「夫婦だけど別々になった」という話も聞きましたので、夫婦での渡航、グループでの渡航の場合はそういう事態も想定しておいた方が無難かと思います。
あ、あとその時に「何人分ご飯用意するか?」と聞かれました。私たちは持ってきた食糧もあったし、とりあえず2人分だけ注文しました。
隔離部屋
部屋については、
・ツインルーム
・テレビ、電気ポット、アイロン、冷蔵庫あり
・ミネラルウォーター500ミリが24本
・ハンガー8本くらい
・シャンプーや石鹸、歯ブラシのような一般的なアメニティグッズあり
でした。普通のホテルのツインルームでしたから、到着するや否や、二つのベッドをくっ付けて、奥の方にスペースを作りました。狭いけど離散家族になるよりはマシです。
設備に関しては、私たちが想定していた最悪ではなく、まずまずと言ったところです。水圧も高いし、お湯もすぐにふんだんに出るし、バスタブもあります。エアコンもよく効きます。
ただ、欠点としては、
・汚い
・窓が開かない
ですかね。カーペットの部屋なんですが、おそらく掃除機など全くかけていないと思います。とにかく汚さについては私たちが想定した最悪に近いものでした。用意してきたクルクル(テープでゴミをとるやつ)で掃除をしましたが、入居後の掃除だけでそれを使い切ってしまいました。それは誤算でしたね。
まあ、ホテルはガチャですから私の状況を伝えることにどれだけ意味があるかわかりませんが、掃除道具の持参は必須かなと思いました(そのほかファブリーズなども持ってきました)。
Wechatグループ
部屋に入る際にはルームキーとは別に何枚かの紙を渡されました。それを見ると、Wechatグループに参加せよと書かれていました。そのグループは、ホテル関係者と、同じ便で同じホテルに入った隔離者たちとで作るグループでした。
ホテルのルール(ご飯の時間、ゴミ捨ての時間、トラブルがあった時の連絡先などなど)や、隔離についての説明、そして隔離者からの質問に答えたりするものでした。タイムラインがひとつしかなく、数十人の人が参加しているものですから、最初はその流れややりとりを把握するだけでも大変でした。
いや、大変だったのはオール中国語だったからですね。翻訳機と推測を頼りに少しずつ理解を深めていきました。
さまざまな手続き
で、問題は、時々ホテル側から重要なインストラクションが出るということです。どこどこに接続して、必要事項を入力して提出せよ、QRコードを取得せよみたいな?
そういうのは職場の人からも聞いていたんですが、なんせ全貌が把握できていないし、何のためのものなのかもわからないので、最初はすごいストレスでした。「これは一度入力した修正できません。そのミスによってアウトバウンドができなくなっても自己責任です」みたいなものもありました。神経使いますよね。
ただ初日は訳がわからなかったのですが、タイムラインを追っているうちに、やはり人間には知恵があるもので少しずつ理解が深まってきました。
それでもわからないことは、翻訳機を使って中国語で質問したり、英語で質問したり、もうさっぱり意味不明の時は日本語で聞きました。そのグループは日本から来た人で構成されていますので、日本語が上手な中国人や、中国語が上手な日本人がいるようでしたから。実際、そういう人たちの助けも借りて、何とか理解を深めていきました。
ただ、ですね。タイムラインを追っても、全くわからないことがしばしばあったんですが、その理由がわかりました。私たちはみんながもらうべき紙を3枚ほどもらっていなかったのです!そういうこともあるんですね。それに気づいて、タイムラインで「我々はその紙をもらっていないからくれ」と言ったんですが、「そんなはずはない、みんなに渡した」というんですねスタッフは。しかし、その後、「私ももらっていない」という人が数名現れて、ことなきを得ました。まあ、ホテルのミスだったということですね。
とにかく思ったのは、わからないことはちゃんと聞く、説明が必要な部分はしっかり求める、ということですね。
まとめ
というわけで、中国入国から隔離生活の立ち上げまでについて書きました。飛行機が空港に到着してから隔離ホテルに入るまで、おそらく4時間以上かかりました。これが早いのか遅いのかはわかりませんが、ホテルに入る前には空腹で大変でした。
隔離ホテルは色々あって、ガチャですし、場所によって全く対応が違うようです。ですので、ここでの記録も一つのケーススタディとして読んでください。私は汚いホテルに入りましたが、きっと清潔で気持ちの良いところもあるでしょうし、さらに汚いところもあるでしょう。
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