日韓バイリンガル教育中間報告

投稿者: | 2022年12月14日

私は日本語母語話者、妻は韓国語母語話者です。

二人の息子(中1、小3)がいまして、二人ともそれなりに日韓両言語を使えます。思い出した頃にその言語成長過程について報告?する文を書いているのですが、今回もそれを続けていきます。じっくり読みたい方は過去の記事を先にご覧ください。

間違いだらけのバイリンガル教育①
間違いだらけのバイリンガル教育②
バイリンガル子育ては気楽に
バイリンガル教育のための提案「3行日記」

現状

環境がうまいこと作用したようで、二人とも口頭コミュニケーションは割と上手に両言語でこなせます。おそらく何も先入観がない人と話したら、二言語環境で育ったことはバレないレベルだと思います。

二人とも、多少語彙力が足りない(両言語において)のでは?と親目線では思うのですが、それが二言語環境によるものなのか、はたまたただ単に本人の素養や能力の問題なのかはわかりません。また語彙力が足りないというジャッジも、正当なのかどうかもわかりません。私が学校の教員なら「学齢別の平均的な語彙力」がなんとなくわかるでしょうけどね。

ただ、子供のオンライン授業の様子を見ていると、他の子の発言はうちの子よりもしっかりしているような気がするんですよね。ただし、発言する子は限られていて、その子たちが特に語彙力や発言力が優れているだけかもしれません(発言するくらいですから)。

あとですね、特に次男の方は、家の中ではかなり両言語を混ぜます。家の中ではそれでコミュニケーションに支障がないので特に咎めたりしてはいないのですが、もしかしたら自分なりの回避ストラテジーとしてそういう「混ぜ」を使用しているのかなとも考えたりします。

ちなみにその「混ぜストラテジー」も、日本語話者の友達、韓国語話者の友達と話すときは発動しません。最近はよく同じアパートにすむ日本人の子供がうちに遊びに来ていて、その会話を横で聞いているのですが、特に発話がおかしかったり、言い淀んだりすることはないようです。

あ、一つ追記すると、次男の方は時々、初見の日本語単語のアクセントがおかしかったりします。日本語母語話者なら初見だとしてもそういうアクセントはしないだろうという言い方をするということです。

兄弟間の会話

基本的に我が家では、いわゆる「一人一言語」を緩やかに実践していまして、子供たちも相手を見て、言語をスイッチしています(私には日本語、妻には韓国語)。「緩やかに」というのは「強制はしていない」ということであり、親である私たちもそんなに厳密に守っているわけではないということです。

(余談ですが、例えば家族4人で食卓を囲んでいるとき、どういう言語で発話するかによって誰に向かってしゃべっているのかというのがわかるんですよね。これは面白い。)

ただ、兄弟間の使用言語には多少変化が見えてきました。以前は完全韓国語で二人で会話をしていましたが、最近は次男の方は日本語で長男に話しかけることが増えたような気がします。長男は相変わらず韓国語で話しています。

次男の方は0歳から6歳まで韓国にいましたが、小学校は日本の学校にずっと通っていますので、本人の中での優勢言語が変わりつつあるのかもしれません。しかし、次男のYoutube履歴を見てみると、日本語のものもあれば韓国語のものもあり、特に韓国語に不自由を感じているというわけではなさそうです。

テレビと語彙力

上でも書きましたが、なんとなく二人とも語彙力が弱い気がするんですよね。

それはもしかしたらテレビを見ないのも一因か、と思ったりしました。よく息子に言われるんですが、外国に住んでいる日本人の家では日本のテレビを見られる環境が整っていることが多いようなのです。

しかし我が家ではそんなの入っていませんし、日本語で見られるのはNHKの海外放送だけというのが長い間続いています。私はNHKのニュースとかは時々みますけど、あんまりその他の放送は見ません。もっぱらネットフリックスを見ています(笑)

テレビって、昔から「見過ぎは良くない」と言われてきましたが、いろいろなジャンルのコンテンツを知らず知らずに見せてくれる機械でもありますよね。自分で選んだら絶対見ないような番組も「流れているから惰性で見る」ことが結構ありますしね。Youtubeだとそういうことは基本的に起こりません。

実際、私が子供時代、親が見ているものを横で見たりしていました。暇なときは惰性でずっとテレビ見てましたしね。知らず知らずのうちにインプットになっていたことでしょう。

ちょっと話がずれるんですが、こないだ息子たちとテレビを見ていて時びっくりしました。サッカーのルールもろくに知らないんですよね。いや、オフサイドがわからないとかいうレベルではなくて、どうなったらコーナーキックになるのかとかも知らないんです。野球なんて、打ったらどっちの方向に進むかもわかんないんじゃないでしょうか。

それはそれとして、もしかしたらテレビをあまり見ないというのは語彙力の形成にはマイナスの方向に働いたりするのかなと思いました。もちろんテレビを見ない間は他の活動で言語を使っているとは思うんですが、やっぱ好きなものだけになると偏るのではないかなと思います。

その証拠に変な言葉は良く知っています。「それってあなたの感想ですよね」とか時々言われます(笑)

※もちろん何か一つの要因だけで語彙力がない、弱いということはありえないでしょう。ただテレビを見ないのもその一つの要因かな?と思ったりしただけです。

補習校

二人とも日本人学校に通っていますので、セオリー通り土曜日は韓国語の補習校に通っています。

私が傍から見ていて思うのは、言語そのものよりも学習項目にリンクした知識の欠如で苦労する場面があるみたいです。

例えば中1の長男は、歴史の授業が大変だそうです。「言っていることはわかるが、総体としてよくわからない」ということなんですね。それは韓国の歴史についての基礎的な知識が欠如しているからでしょう。

これは当たり前のことです。私も外国語でニュースなどを見ると、ちんぷんかんぷんなことがよくあります(いや、告白すると日本のニュースもようわからん)。一つ一つのテキストが指す意味は理解できても、これはどのように解釈すべきなのか?がよくわからないんですよね。特に政治とかですね。

二人とも土曜日まで早起きして補習校に通うのは大変なようですし、時々行きたくないと言うこともあります。ただ、二人とも日本も韓国も好きなようですから、そこだけは我慢してやってもらっています。もう少し幼いとなかなか説得するのも大変ですが、そろそろ本人たちも「補習校の意味」がわかるようになってきましたしね。

まとめ

脈絡のない文章になってしまいましたが、二人の子供の言語関連について、思いついたことを徒然と書きました。

今のところ私の息子の二人の問題点は

・語彙力の偏り

に収まるのかなと思います。それを解消するには、読書だろうな〜と思っているんですが、読まないんですよね本を。

私も子供の頃は活字だけの本が嫌いだったので、無理強いはしていません。とにかく、漫画でもいいから活字を見よ(日本語にせよ、韓国語にせよ)と言っています。

あとはまあ、別に言語教育のためだけに生きているわけではないので、のんびりやっていこうかなと思います。ただ中1くらいになると親がコントロールできることはあんまりないかもしれないとも思います。

というわけで中間報告?でした。

以下、これまでに書いたバイリンガル関係の投稿が見られます。

バイリンガル教育

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