中国の中等教育段階の日本語教師を対象に開いている研修の中の一コマを担当しました。この研修は2年ほど前から始めているシリーズなんですけど、今回は新科目として「語彙を教える」をすることになりました。
概要
↓のスライドが扱った内容のダイジェストです。
意図的語彙学習では、授業に簡単に取り入れられそうな活動をいくつか紹介しています。
付随的語彙学習では、授業で少し扱えそうなものとして「歌」を一つだけ取り上げました。私の過去の経験をシェアした感じです。
そして、語彙学習を全体としてコーディネイトする方法の提案をしました。
仲間はずれ
私が「意図的語彙学習」の活動の中で提案した活動の中でちょっとおもしろいなと思ったのがこの仲間はずれです。5つくらいの単語をあげて、そのうち一つだけ性格の違う単語を指摘するという活動です。例を出しますのでみなさんもやってみてください。
1.次の音声を聞いて、仲間外れの単語を一つ選んでください。
2.次の音声を聞いて、仲間外れの単語を一つ選んでください。
3.次の音声を聞いて、仲間外れの単語を一つ選んでください。
いかがでしたでしょうか?結構難しいですよね?この活動の要諦は、単語のいろいろな側面を考えるということです。やってみてわかるように、この例題では意味・表記・活用が仲間はずれをつくるポイントとなっていますが、答えを出すためにはその単語についてよく考えないといけないわけです。
また音声でやっているのは負荷をかけるためです。もちろん観点によっては表記した単語の中から仲間はずれを作ることも十分あり得るとは思いますが、音声の方が集中力が増しますし、単語についてじっくり考えることができるかな、と思いました。まあ、学習者の属性やどこに焦点をおくかなどによってさまざまなやり方が考えられると思います。
あと、スライドには書いていますが、必ずしも教師が用意した正答に合わせる必要はないんですよね。「先生、それもそうですけど、これこれこういう観点で言うとそれも仲間外れになります」という発言が出たら、それはそれで素晴らしいことだと思います。
スライド
他にもいくつか活動を紹介していますので、よろしければご覧ください。