先日オンラインで「教師としての成長」という講義を行ってきました。しかし「教師としての成長」を私のような人間がするのもどうかなと思ってもいるんですよね。で、こういうロジックで話をすることにしました。
①私のような人間が「教師としての成長」について話すなど、おこがましいのではないだろうか?
②しかし、振り返ってみると新人の頃より成長している部分があるのも事実だ。
③というわけで、私の成長に寄与したと思われる項目について幾つか話す。
という体裁を取りました。つまり、講義の基本スタンスとしては、
「さあ、みなさん、こうすればあなたも教師として成長できますよ〜」
という目線ではなく、
「私はこれで成長したと思っている。それを少し紹介するんで、もし気に入ったら試してみてね。」
という感じです(突っ込まれた時のための防衛線を張っているとも言える)。
話の進め方
で、そういう基本スタンスを設定したんですが、実際準備の段階で「私を成長させたもの」を考えてみるとかなりの数が出てきました。結果として今回は21の話題が出てきたんですよ。↓の写真参照のこと。
しかし仮に一つの話題について10分ずつ話しても210分、つまり3時間30分を超える昔の超大作歴史物映画みたいになってしまう(私に今回与えられたのは80分しかない)。そこで「話を絞るか」とも考えたんですが、そうしてしまうと21ある話題の中から7、8個の話題を自分でピックアップしないといけないことになります。
しかし、どんなにリストと睨めっこしても私には最適解がわからないんですよ。どの7、8個を選べばいいのか。そこで私は責任を放棄し、参加者の皆様に選んでもらうことにしました。
↑こんな感じでフォームズを用いて投票してもらいました。その結果・・・↓
1位A⑤やりにくいクラスはチャンス 危機を好機に変える
2位D② 未来への引き継ぎ 楽々授業改善法
3位B⑤ 12分フラグメントで仕事を少しずつ前進! 時間管理仕事法
予想とかはまったくしていなかったので、こんなんもんか〜という感想しかなかったんですが。とにかく上位から順番に話をして、ずっとそればかりだと飽きるので、参加者の人々から「何に興味ありますか?」とか聞いたりして、とりあえず合計6つの話を提供して終わりました。
良い点&悪い点
セミナー自体が良かったどうかはさておき(ていうか参加者がどう感じたはなかなかわかりづらい)、この「参加者に話題を選んでもらう」というやり方はいろいろな意味で良い点(と多少の悪い点)があります。
良い点① 時間配分を気にしなくても良い。
ストーリーのある話にしてしまうと、やはり気になるのが「時間内に終わるかどうか」という点。実際、前日の別のセミナーでは、いろいろな不幸が重なって準備していた全てを紹介することができませんでした。しかし、このやり方だとそれは解消できます。時間がきたらそこでストップすればいいだけなんですから。
良い点② 参加者の興味に基づいたものを提供できる
実際には話を聞いてみないと参加者に刺さるものが提供できたかどうかはわかりません。しかし、少なくとも参加者の多数派が興味を持ったことについて話をできるのは確か。私たちのセミナーは「こんな話をするから聞きたい人集まって」という感じではなくて、「とりあえず集まって何か話を聞きましょう」という感じなので、そもそも参加者が大テーマに興味のない場合も多いんですよね。
良い点③ 話が面白くなかったときのリスクを分散できる
後ろ向きの理由ですけど、一つ外しても一つ当てればいいですよね。実際話していて、「これは刺さっていないな」と感じた話題もあったんですが、逆に「これはある程度刺さっているかも」と感じたものもありました。一つのストーリーでセミナーを組んじゃうと、そのストーリーと心中することにもなりかねません。
悪い点 ストーリーがない・一貫性がなくなる
どれが選ばれても小話ができるようなやり方ですから、それらの小話と小話にはあまり関連性がありません。こちらが意図する流れもないし、そもそも流れというものがない。だから「全体としてまとまった話だった」という印象は抱かれにくいでしょうね。
まとめ
というわけで、最近おこなったセミナーについて書いてみました。
私が特に注意した点は、「自分の具体的な経験を入れること」です。表面をなぞるだけの話だと、ただのライフハックみたいになっちゃうと危惧しました。しかしその中に私の失敗談や成功談を交えることで、ライフハックとしては普通だけど、聞き物としては興味深いものになるかなと思ったわけです(高校の時の先生の授業からの脱線話みたいなイメージですかね)。
あと、この「参加者に話題を選んでもらう」方式は実は初めてではなく、何回かやったことがあります。最近だと、「読むことを教える」というワークショップ型の講義で6つの活動から3つを選んでもらって実際に体験したもらったことがあります。
また古くは、冒険家の村上氏に呼んでもらった「ZOOMでハナキン!」でも、この方式で乾杯の音頭をとったことがあります。
この方式を採用できるのは、ネタが豊富であるという証でもあります。あと、今回のセミナーでは6つの話しかしなかったので、つまり残りの15個については準備が無駄になったということでもあります。ということはこの方式は、みんながみんなできるものではない(自慢!)やり方かもしれません。
スライドは・・・多方面に影響が出たら困るので共有しないことにします笑。聞きたい人は・・・ぜひ何かに呼んでください。