ここ最近「学習者の動機を高める」というテーマが選ばれることが多く、年末から年明けにかけて対面とオンラインで何度か講義を担当しました。
いちばん最初にやった講義のスライドは既に公開しています↓。
ただ、↑の記事でも書きましたが、この講義は実は自分ではあまり納得はしていなかったんですよね。かなり改善の余地があるとはわかりつつ公開をしています。
※ただ、なぜ納得していないものをわざわざ上げるのかというと、それはこの講義を受けた人々に対する「礼」のようなものですね。その人たちは貴重な時間を割いて私の話を聞いてくれたわけで、私がその講義を「お蔵入りする程度のものだ」としてしまったら、その人たちに大変失礼だと思ったからです。読者の大多数の方には関係ないことですが、職業人としての義理のあり方として理解していただければ幸いです。
そして、その後数回の講義をおこない(全部で5回くらい)、一応このシリーズは一段落しました。その過程で、講義レベルも私の中で及第点に近づいて来たと思うので、最新のものを公開しておきます。
概要
内容の構造を簡単に紹介しますと、「動機減退」の研究をいくつか紹介した上で、以下のようなスライドを提示します。

一教師が動機づけのためにできることは「教師自身」と「授業」を改善する必要があるというストーリーですね。で、前半は「教師についてできること」、後半は「授業についてできること」について話をするイメージです。
「教師としてできること」は以下のような下位項目3つに分かれています。

詳しくは下の方で添付するスライドをご参照いただきたいと思いますが、私が好きなのは②の部分ですね。ここでは「コーチング」の概念をほんのちょびっとだけ紹介しています。会場で模擬対応の練習をやると結構おもしろいです。
休憩を挟んで後半は「授業についてできること」です。以下のような下位項目3つに分かれています。

実は前半の「教師としてできること」は参加者の方々の属性が変わっても同じような話をしたんですが、この授業に関するところは、参加者の中核層が「高等教育従事者」か、「中等教育従事者」かによって微妙に変えました。ちなみに今日上げているのは↑中等教育機関用です。
まあ、私の「授業についてできること」の基本は、言語学習の楽しさに立ち返るというところです。まあ、早い話が、
読んだり書いたりするより話したりする方が楽しいよね
ということです。まあ、そのような言明にはかなり問題があるとは思いますが、私の講義に参加するのはほとんどが中国の先生たちで、基本的には文字を扱う授業(読み書き)が中心であるという前提があります。そこに、口頭コミュニケーションの時間を増やそうよという提案をしているということです。
また、今回は↑ような3点を組み込みましたが、参加者の状況によっては、「音声をたくさん使おう」という項目を差し込んで、音声ファイルの作り方などを講義したりすることもありました。
スライド
とまあ、概要を説明しましたが、スライド全体を載せておきますので、関心のある方はご覧ください。
※一応、この講義についてエクスキューズを一点入れておくと、「面白い授業をする」方法についてはいろいろなやり方があると思います。私の提案のように「ゲームを取り入れる」とか「音声コミュニケーションを増やす」というのはその数ある方法の一つの方法にすぎません。それはもちろん重重承知の上で、時間的制約と私の経験・能力の制約から割といい感じでセミナーが進むような内容を選んでいます(つまり知識を網羅することよりも、飽きずに参加できるような工夫を重視しています)。ということも考慮に入れてご覧いただけると幸いです。
たいへん勉強になりました!