※私はChatGPTを月20米ドル払って使っています。
最近やっているChatGPTを利用した外国語学習法がかなり実用的なような気がするので、シェアしたいと思います。
概要を簡単に説明すると・・・
①ChatGPTの音声会話モードを利用し、何気ない会話をする。
②一通り会話が終わった後、「ここまでの会話の内容をまとめて」と言う。
③そのまとまったものを見ながら、話す練習を一人でおこなう。
④ChatGPTと音声会話をおこない、練習したものを聞いてもらう。
以上。
え?それだけ?と思った方、もうちょっと待ってください。詳しく解説します。
状況説明
私これ、出勤時間にやっているんです。私の出勤の様子をお伝えしますと、
家→(①②徒歩10分)→地下鉄駅→(③地下鉄15分)→最寄駅→(④徒歩25分)→職場

というような感じです。そして丸数字のところは上で書いた活動のことです。つまり、徒歩の時は多少大きな声で話しても問題ないのでChatGPTと会話し、地下鉄の中ではスクリプトを覚えるという作業をおこなっているわけです。え?まだわからない?以下に詳細を。
①徒歩10分/ChatGPTの音声会話モードを利用し、何気ない会話をする。

家を出た瞬間、ChatGPTの音声会話モードを起動させます↑。もちろんブルートゥースのイヤホンを利用します。そして、他愛のないことを話し始めます。たとえば今日は月曜だったので、週末のことを話しました。
私「そういえば、土曜日は市場に行った。久しぶりに。前はさ、よく行ってたんだけど、今回は久しぶりだった。で、あまりに久しぶりだったから乗るバスを間違えた。それに気づいて変なバス停で降りたんだけど、そこから結構長い距離歩いて市場についた。市場では、いろいろなものを買った。特に豚肉を塊で買ってきて、その日は角煮を作ったよ。・・・」
みたいなことを中国語で話します。ChatGPTはいろいろ相槌をうったりコメントを差し込んできますが、時にはそれに応じ、時にはそれを無視し、とにかく地下鉄の駅に着くまで他愛のないことを話し続けます。
②一通り会話が終わった後、「ここまでの会話の内容をまとめて」と言う。
そうこうしているうちに地下鉄駅の入り口が見えてきました。で、そこでChatGPTにこう言います。
私「ここまでの会話をまとめてくれる?後でまとめて話す練習に使うから」
そうすると、ChatGPTは私の他愛のない話をまとめてくれます。そもそも私は思いついたことを話してきたので、話の本質と関わりのないこと内容もChatGPTはインプットしているはずですが、まあうまいことまとめてくれます。
音声会話モードを止めて、話した内容を見てみると、その「まとめてくれたスクリプト」が見えます。
ちなみに今日まとめてくれたものはこんな感じでした↓
这个周末我没有工作,所以我和我太太一起去了一个很久没去的市场。我们以前常常去那个市场,但是这次我们坐错了公交车,只好走了很长一段路。到了市场以后,我们买了猪肉,打算回家做东坡肉。不过我发现,我吃猪肉后肚子容易不舒服,这次也有点肚子疼。
(今週末は仕事がなかったので、妻としばらく行っていなかった市場へ行きました。私たちは以前よくその市場に行っていたのですが、今回は間違ったバスに乗ってしまい、長い距離を歩かなければなりませんでした。市場に到着後、豚肉を買って家に帰って東坡豚を作ることにしました。しかし、豚肉を食べるとすぐに胃の調子が悪くなり、今回は胃痛に悩まされました。)
③地下鉄15分/そのまとまったものを見て、話す練習を一人でおこなう。
さて、地下鉄に乗り込みました。中は身動きもとれないほどではないですが、まあたくさん人が乗っています。そこで先ほどの「まとめてくれたスクリプト」を開いて、ソラで暗唱できるように練習します。
地下鉄の中は電波が悪いのでChatGPTと会話をすることはできません。しかし音声を再生することくらいはできるので、上の「まとめてくれたスクリプト」を聴きながら、見ながら、とにかくブツブツと一人で話す練習をします。
④徒歩25分/ChatGPTと音声会話をおこない、練習したものを聞いてもらう。
最寄駅に降り立ちました。地上に出ると電波がよく入るのか、ChatGPTとの会話はうまくいきます。
私「今地下鉄から降りました。さっそく、さきほどあなたが作ってくれたスクリプトを暗唱してみます。聞いて、簡単なフィードバックをください」
と言い、地下鉄の中で熱心に練習したものの暗唱をおこないます。
ChatGPTはフィードバックもくれたりするので、あとは気が済むまで何度も暗唱する。そうこうしているうちに職場につきました。
はい、以上です。
ポイント1点目:他愛のないことから始めているので負担が少ない
AIで外国語が勉強できる、と言っても実際何を話せばいいかわからないじゃないですか。レッスンに通えば先生がうまいこと誘導してくれたりしますが、AI相手だと何を話すべきかわからない。で何度も、
「どんなことについて話したいですか?」
とChatGPTに詰められて、いや、「思いつかない。あなたが決めて」なんて言おうものなら大体
「あなたの好きなことはなんですか」とか「最近見た映画は?」とか聞かれる(笑)
でも、他愛のない会話から始めるとそれが解消できるわけですね。もう思ったことなんでも言えばいいわけですよ。
「今日は天気が悪い、雨が降りそうだ」
「外に出たら意外と寒いなあ」
「今日は少し寝坊した」
「明日から休みだ、何しようかな」
とかほんと何でもいいんですよね。
「今日は天気が悪い、雨が降りそうだ」という他愛のないことから始めても、一言話せば言いたいことが出てくるもんです。しかも歩いてますからね。歩いていると眼に見えるものもあるし、話すことは結構できます。
「今日は天気が悪い、雨が降りそうだ。・・・そう言えば最近雨があまり降っていないな。そもそも北京は雨が少ない、だから他地域に出張に行くときなども傘を忘れがちだ。出張といえば・・・」
どうせ相手はAIですから聞き手に配慮する必要はない。言いたいことを言いたいように言えばいいだけ。
ポイント2点目:言いたいけど言えないことがあればその場で聞ける
「言いたいことを言いたいように言えばいいのはわかるけど、外国語だし、言いたことが言えなかったらどうするの?」というなら、それを聞けばいいだけです。
例えば今日は「家に帰って角煮を作った」と言いたかったんだけど、「角煮」に対応する言葉が思い浮かばなかったんですよね。そんな時は、
「角煮って中国語でなんて言うんだっけ?」と聞くこともできるし(日本語で聞いても中国語で聞いてもいい)、あるいは、無理やり中国語の文章に日本語をねじ込んでもうまいこと理解してくれることもあります。
ときどき私の発音や文の構成が自分でも曖昧だと思って「これさすがに通じないだろう?」と思うこともあるわけですが、その時は「理解できた?」とだけ聞けばいい。ただ、私の経験的には、語学の先生よりも私の言いたいことを理解する能力は高いと思います。
明らかに変な言い回しをして「通じないだろうな」と思っても、「これこれこういうことですよね?」と返してくれることが多いです。
とにかくChatGPTの良い点は何かを切り替えなくても、こちらが日本語で話したら日本語として理解してくれるし、中国語で話したら中国語で理解してくれるということですね。すぐれた多言語話者ということです。
ポイント3点目:一人スピーチ大会
そもそも話の内容は私の他愛のない一言から始まっています。他愛のないことですけど、私の内部にあることです。だから暗唱練習するときも、言うべき内容を思い出すことは難しくない。つまり日本語で言いたいことを外国語で言えるかどうかの練習なんですよね(私の場合はそれができれば十分)。
これは即席の一人スピーチ大会です。かつて、授業では「順番を決めて持ち回りで1分スピーチをやってもらいます」的な活動をやったりしていましたけど、もうそれも一人でできるんですよね。感無量です。どんどん教師が授業でやるべきことが少なくなる(まあ、AI相手にしゃべるのと人相手にしゃべるのは違いますけど)。
あと、自分の力量を遥かに超えることだって練習できるわけですよね。例えば、私は最初のフェーズである他愛のない発言も中国語(外国語)でやっていますが、そのフェーズを日本語(母語)でやってもいいんですよね。まとめの時点で「今まで話したことを全部中国語でまとめて」と言ってもいいわけです。
そうすれば、母語で他愛なく話したことの言い回しや内容を外国語で練習できることになります。大会に出るならいざ知らず、自分だけの練習であるならば、もうネイティブの先生のチェックも必要ないということです。
まとめ
というわけで、最近私がはまっている外国語学習の方法についてお話ししてきました。
もし気になった人がいましたら、ぜひ試してください。また文章だけではわからない部分もあると思います。もしあれでしたらX経由などで質問していただけたらと思います。