Retrieval Practiceって何?

投稿者: | 2017年11月18日

先日久しぶりにtwitterを見ていたら、村上吉文先生のこんなツイートがありました。

もちろん「Retrieval Practice」なんて初めて聞いたし、私自身「適当にやっている人」の一人なので、ちょっと調べてみました。

が、日本語でガッツリ説明してくれているページは見つかりませんでした。そこで、ちょっとがんばって英語のページをいくつか読んでみたのですが、そこで私なりに得た知見をまとめてみます。

アウトプットに焦点を置く

Retrieval Practiceの「プラクティス=練習」はわかるけど、そもそも「Retrieval」って何?

カタカナで読むと「リトリーバル」ですが、これは「取り戻すこと」や「検索」などと訳されるようです。じゃあ「検索練習」?

この「リトリーバル・プラクティス」はとりあえず、記憶するための練習方法、覚えるための練習方法のようです。一般に学びでは「覚えること」が重要視されます。で、その「覚える」に至るためにどのような練習をすればよいか、ということでしょう。

で、普通「覚える」というと「頭に叩き込むこと」=「インプット」に集中しがちです。高校生の時、単語帳などをひたすら見て、英単語を覚えた記憶があります。これは「インプット」に集中しているわけですよね。

でもこのリトリーバル・プラクティスではインプットすることよりも、その覚えようとしている何らかの知識をアウトプットすることに焦点を置いているようです。アウトプットをどのようにすれば、目標としている知識を長期的な記憶として保持するようできるか、ということです。

それを端的に表す言葉として、「No pain, no gain」という表現が使われていました。「痛みを伴わなければ得るところもない」。これは運動と同じだということです。筋肉を強くするためには運動をして負荷をかけてやる必要があります。学びもこれと同じで、ただ漫然とやっているだけではダメ、アウトプットで負荷をかけないとダメ、ということですかね。

フラッシュカードの使い方

では、具体的にどのように「痛みを伴うアウトプット」を行なうか、という点ですが、いろいろな方法があるみたいです。このページだけでその理屈や理論を網羅するのは到底無理なので、とりあえず話題にのぼった「フラッシュカード」の使い方の例だけ上げておきます。もちろん私が考えたわけではなく、英語の記事を読んでそれを私なりに理解したもののまとめです。

日本語教育の文脈でフラッシュカードを使う機会というのは多くの場合、「単語」や「漢字」を覚える時でしょう。一般的には「表」に「行く」と書いて、「裏」に自分の母語で「go」とでも書いておくことでしょう。

まずは絵を入れることです。「go」とだけしか書いていないより絵や写真のような情報が会ったほうが記憶が結びつきやすいです。ただし、だからと言って文字を増やすのはいけません。絵は直感的に認識できるからいいのです。

また、フラッシュカード一枚に多くの情報を入れてはいけません。「どうせなら活用も一緒に…」と思って、裏面に「いきます/いって/いかない」などと書き入れるのは得策ではありません。

そして何より重要なのは、カードを自分で作る、ということです。この部分でもうアウトプットがはじまっているんですね。この作成という過程も、覚えるために重要なステップだし、また出来合いのものを使うと真に自分に必要でないものも混じってしまうこともあります。この作成過程である種の痛みが伴うんですね。そうでしょ?結構これは骨が折れる作業です。

また、カードは黙々と一枚一枚見ていくのではなくて、声に出すことが重要です。表「行く」、裏「行きます」のような活用を覚えるカードであれば、表を見て裏面を考え、「行きます」と声を出すと同時くらいに裏にひっくり返す、というのがいいでしょう。

…と簡単にフラッシュカードの使い方について書きましたが、間違ったことや浅いことを言っている部分もあるかもしれません。その辺はご勘弁いただき、下の私が目を通した記事などを精読していただければよいかと思います。

あ、あとここまで書いて気づきましたが、「フラッシュカード」って全てが表裏で構成されるわけではないですよね?私が念頭においていたのはいわゆる裏表がある「記憶カード」のことでした~

【参考】

●https://www.retrievalpractice.org/
●https://collegeinfogeek.com/flash-card-study-tips/
●http://www.learningscientists.org/blog/2016/6/23-1

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