「奥さん」「ご主人」という呼称に抵抗がある人が増えているそうです。やはり「奥」とか「主人」とかいう言葉が性差別的、ということなのでしょう。
今日はそれが性差別的かどうか、その是非については考えません。それが性差別的であろうとなかろうと、重要なのは言われる本人、言う本人が「そういう言い方は嫌だ」という事実です。これから、それに代わる言葉について考える必要があるでしょう。
いろいろな表現
というわけで、「奥さん」「ご主人」を避ける表現が昨今しばしば使われます。今日取り扱うのは、相手の配偶者を指す場合の表現だけです。例えば、雑談をしていて自然な流れで、
奥さん(ご主人)のご出身はどちらですか。
という場合の「奥さん(ご主人)」に変わる言葉を考えてみます。
●パートナー
「パートナーの方のご出身はどちらですか」
私だったら「話の流れ上、妻のことを指しているのだろう」という予測が立っても、「妻のことですよね?」と確認を入れると思います。一緒にビジネスをする人なんかを「パートナー」と指すこともありますからね。
曖昧な表現ですが、その曖昧さが良いのかもしれません。
●つれあい
「つれあいの方のご出身はどちらですか」
「つれあいの方は…」と言うのは私はちょっと違和感ありますかね。「私のつれあいは…」というのはしっくり来ますが。
●相方
「相方の方のご出身はどちらですか」
自分の配偶者を呼ぶ時に使うほうが多いかもしれませんね。「相方の方」は使うんでしょうか?そもそも相方という表現が砕けた表現ですから、オフィシャルな言い方にはなじまないかもしれません。
●妻氏(夫氏)、妻さん(夫さん)
「妻氏のご出身はどちらですか」
「妻氏」は2チャンネルっぽいですね。わかりやすいのはわかりやすいです。ただ、口頭のコミュニケーションでは「え?」となると思います。
また「妻さん」は最もわかりやすい表現でニュートラルだと思いますが、相手が同性愛カップルの場合なんと呼ぶべきなのか、葛藤が生じてしまいます。
提案します
どれも今ひとつという感じがします。曖昧さが残ったり、待遇表現のレベルを変えられなかったり。それで私が今回提案するのは、
ハイグーさん
…だめ?
配偶者と言いますけど、
配…添い合う
偶…カップル
という意味だそうです。だからこの言葉には性別も関係ないし、内縁かどうかも関係ありません。もちろん「配偶者」といってしまうと、これは法律用語?とおなじになってしまうので内縁の場合はだめです。だからこそ、
ハイグーさん
なのです。目上すぎる場合は、
ハイグー様
というようにするのです(「奥様」に対応)。
これ、ニュートラルな表現になっていいと思うんですけどね。とりあえず、性別も内縁かどうかも関係ありません。まあ、もうちょっとキャッチーな方がいいとは思いますが、だめでしょうか。だめですよね(笑)
「ハイグーさんのご出身はどちらでですか?」
ふと思ったので書いてみました。
言葉は造られる
でも、ですね、まあ今日のハイグーさんは絶対に普及しないと思いますが(笑)、言葉というのは意図的に作られることもあります。
例えば、今日私たちが普通に使う、
お父さん、お母さん
などという言葉も政府の陰謀(笑)によってつくられたものです。近年もっとも述べ照会数が多いであろうWikipediaという百科事典によりますと、
1903年(明治36年)に尋常小学校の教科書に採用されてから急速に広まった。それ以前は「おとっつぁん」が多かった(武士の階級では「父上」)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E7%88%B6%E3%81%95%E3%82%93
という記述があります。要はお上が「こう呼ぶことにしましょう」と決めて普及させたものなんです。
ですから、「ハイグーさん」だって政府主導でNHKとかに言わせ続けたら多分2,3年くらいで普及するんじゃないでしょうか。
なんて、今日はどうでもいい話でした。