先輩日本語教師に聞く「ICT」

投稿者: | 2021年1月11日

先日は先輩日本語教師であるマシローさんとの話で出てきた「授業でしないこと」についての記事を書きました。

先輩日本語教師に聞く「しないこと」

マシローさんの話は示唆に富み、おもしろいです。この話を聞いたときに、他のことについてもいろいろと教えてくれました。記事になりそうだな、と思ったのが、

ICT

に関することです。マシローさんの話は観念的なので、私がその意図を正しく理解しているかどうかはわかりませんが、私なりの理解でマシローさんの話をまとめてみようかと思います。

マシローさんの話は「日本語教師の中にはICTが苦手と考える人が少なくないが、なぜそうなのか、また苦手だと思っている人はどうするべきなのか」ということでした。

・なぜICTが苦手だと思うのか
・ICTのどこが難しいのか
・ICT苦手をどう克服するべきなのか

この3つの柱で話を展開してみます。

なぜICTが苦手だと思うのか

まずマシローさんは根本的なことを言っていました。

「ITとICTは違う」

ということです。え、ほぼ同義だと思っていました。ちょっと調べてみましたが、ICTというのはIT技術をどのように使うかということだそうです。よくわかりませんけど、ITにはPCとかハードディスクとか、プログラミングとかそういうことも含まれるのに対して、ICTってのはそれをどう利用するかということらしいんですね。

「ICTに弱い」と自負する人はたくさんいますけど、結局自分が何に弱いかわかっていない。結果としてPCやスマホを使う全てのことが難しいと思っちゃうんじゃないでしょうか。

なるほど。確かにそうですね。私もプログラミングの知識とか全然ないですからね。でも教育シーンでは割といろんなツールを駆使することができています。マシローさん曰く

日本語教師に必要なのはツールです

とのことでした。そうそう、スマホだPCだ、オンラインだというとそれだけで拒否感が出てしまう人が多いけど、「使い方だけ覚えればいい」と思うと少し気が楽になりませんか。「ICT苦手…」という人だって、電子レンジとか、オーブンとか、ミシンとかは使えますよね。使えない人がいたとしたら、それは「使ったことがないから」です(私はミシン使えませんけど)。

あとマシローさんの金言は、

ICTツールはユーザーフレンドリー度数が年々上がっている

とのことでした。例えば30年前にパソコン通信みたいなものをやっていた人もいると思いますが、その時パソコン通信をやっていたのはごくごく限られたマニアックな人たちだけだったそうです(私も知りません)。でも今は猫も杓子もスマホだ、PCだ、インターネットだ、の時代ですから、ユーザーフレンドリーじゃないと受け入れられないのだそうです。ですから近年は

一般に流通するツールは馬鹿でも使える

ということが当然で、「逆に言うと馬鹿でも使えないものにまで手を出す必要はない。なぜならそれは、馬鹿な学生が使えないということだから」というマシローさんの毒舌でした。

まとめますと、「ICT苦手なんだよね」という人は何が苦手かわかっていないということです。漠然とした苦手意識。そして、それを克服するためには、「まずはLINEを使えるようになろう」と具体的なツールの使い方を習得するという目標を掲げることが大事だということです。

ICTのどこが難しいのか

とはいえ、上のマシローさんの話を聞いたからと言って苦手なものは苦手ですよね。で、そもそもなぜ苦手だと思うのかというと、

立体的な構造を意識できていないから

だそうです。これはPCの説明でよくあることですよね。

画面は机で、フォルダは引き出しです。仕事するときにはそれぞれの引き出しから机の上に、それに応じたノートを出して広げます。そしてそのノートの記載が終わったら、また引き出しに収めます。

的な。実はこれがPCやスマホの基礎になるようなんです。PCやスマホのツールを使う時の難しさの9割はほぼ、この立体構造を意識できないということに起因するそうです。ほんまかいな?

私は疑問に思ったんですが、それを念頭に置きつついろいろなツールを使ってみました。例えば、Gmail。

確かに左側が引き出しで、それぞれの引き出しをクリックすると真ん中の机にその引き出しの中身が開かれますね。他のツールもそういう目で見てみたら、ほとんどそういった立体構造になっていました。

立体構造のものをスクリーンという平面で扱うから難しいんですよね。それは縦列駐車のようなものかもしれませんね。私も車の運転はあんまりうまくないんですけど、それはやはり立体として空間を認識できていないからだと思います。でも、縦列駐車ってコツがあるんですよね。抑える点だけ抑えればだれでもできるんです(私はできないけど)。

またマシローさんは私にこう聞きました。

「探しているノートやペンがなかったらどうする?」

私は「全部の引き出しを開けてみます」といいました。「それでもなければ机の周辺、例えば机と壁の間とかを探してみます」。それはマシローさんによれば100点満点の答えだそうです。

リアルな部屋では、探しているノートが見つからないこともある。なぜならノート自体がそこにないという可能性もあるから。でもスマホやPCでは全部しらみ潰しに調べれば必ずどこかに探すものがある。

だから、立体構造のものが平面で処理されることは「凶報でもあり吉報でもある」とのことです。

あとは、「PCやスマホは間違えない」という信頼を持つことが大事だそうです。自分が指示通りにやったのにそれを実践できなかった場合は「なにか自分の側が間違っている」という認識をまず持つことが大事だそうです。

うーん、なるほど。これはドラクエⅡの長い長い復活の呪文に似ていますかね。あのときはほんとに長いパスワードを一字一句もらさずノートにメモしていました。ご存知ない方のために写真をつけます↓毎プレイごとにこんなのメモっていたんですよ。一字でも間違えたら、「ふっかつ」できないのです。

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話は飛びましたが、人間相手だと「相手の記憶違い」ということはありますが、機械相手だとその可能性は限りなく低くなるので次にとる手段の幅を狭めることができる、という話でした。なにかミスがおこったときに「そもそもあの人の話が間違っているのかも」ということまでを勘定にいれたら何もできなくなったりしますからね。

ただ、それでもだめなときは

再起動する

これが最も伝統的で有効な方法だそうです。どんなにちゃんとやっても機械が思い通りに動かないことが時としてある。その場合は再起動することが最も有効です。あとマシローさんは、「二番目はキャッシュを消す」と言っていました。それも有効なことがあるそうです。

※この話を聞いて、にっちもさっちもいかない人にこの助言をしたのですが、やっぱりだめでした。そういうこともあるようです。

ICT苦手をどのように克服するか

最後にマシローさんは具体的な3つのアドバイスをしていました。

・人の話をよく聞く(指示通りにやってみる)
・わからないことは検索する
・絶対にできると暗示をかける

まず「人の指示にちゃんと従う」のは大事ですね。この「人」というのは生身の人も該当しますし、ウェブサイト上の情報も該当します。なにか指示や助言を受けたら、それを自分なりに解釈しないで、そのとおりにやるということでしょうね。

私もこれで失敗することがあります。説明書とかを斜めに読んでしまうんですよね。で、注意書きとかに思いっきりちゃんと書いていることなんかも見落としてしまうことがよくあります。人の話はよく聞きましょう。

また、他人に助けを求めるときは、その画面のスクリーンショットを見せたりすることですぐに解決することがあります。これをやると的確なアドバイスを受けられる可能性が飛躍的に上がる、とのことでした。

また2つ目の「わからないことは検索する」これが大事ですね。検索ワードがわからない場合はそのまま文章にして入れたらいいらしいです。「ZOOMのホストキーの使い方」「Flipgridで学生を招待する方法」など。最近の検索エンジンは賢いので、あまり考えずにワードを入れても目当ての情報に誘導してくれる、とのことでした。

私が最も感心したのは3番めの「絶対にできると暗示をかける」という点です。

これ、私すごくわかるんですよね。ICTとかに限らず、私がなにか困ったときに使う方法でもあります。例えばですね、若い頃折りたたみの自転車をもらったんですね。先輩と2人で折りたたもうと思うんですけど、うまくいきません。5分くらい格闘しましたが駄目です。で、二人であきらめそうになったんですけど、私の先輩がこんなことをいいました。

おれもお前も文字の読み書きもできるし、簡単な英語もわかるくらいの知性がある。人に話しかけられればそれに応じた対応ができるし、アルバイトもいままでそつなくこなしてきた。つまり、おれたちは知性で人に著しく劣っていることはない。平均より上かどうかは別として、劣ってはいないはずだ。そんな人間に自転車の折りたたみができないわけないだろう?もしおれたちができないほど難しい方法だとすれば、商品として世に流通するわけがない。もう一度やってみよう。

その後、なんとか自転車を折りたたむことができました。おそらく、その先輩のその一言がなかったら私はあきらめていたことでしょう。

機械も同じです。みなさんはこのブログを読んでいるというそれだけで、そこそこ知性的なはずです(笑)。その知性的なあなたにできないはずがありません。できないのは、ただ慣れていないからです。人が3分でできていることに30分かかるだけです。その時間はやっているうちに短縮されるはずです。絶対にそれはできるはずです。

そのくらいの気持を持つ、ということですね。

まとめ

長くなりましたが、マシローさんの金言をわたしなりに解釈してみました。

要は「ICTツールというのはだれでも使えるようにできているのだから、がんばって練習すればだれでも上手につかえるようになるよ」ということですね。その際には「立体を平面で表している」ということを常に意識すること、でしょうか。

またマシローさんによれば、「若い人は確かにICTに強い印象があるが、必ずしもそうとは言えない」ということらしいです。

まあ統計的根拠があるのかどうかは知りませんが、これはマシローさんなりのエールだと思います。「年のせいにしない」という。平均を出せば、きっと若い世代の方がリテラシーは高いでしょうから。そういえば私もはじめてスマホを持った時、たしか2009年だと思いますけど、「まったくわからん」と思ったことがあります。当時30歳ですよ。若かったですが、面食らった覚えがあります。

マシローさんとの会話は非常に示唆にとみ、有益でした。その一端をみなさんとシェアできて良かったです。とはいえ、苦手なものは苦手ですよね(笑)

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