2022年7月 中国渡航メモ③〜隔離生活

投稿者: | 2022年8月8日

2022年7月 中国渡航メモ①〜日本出国
2022年7月 中国渡航メモ②〜入国・隔離生活開始

↑からの続きです。

隔離生活

2020年にコロナが始まってからは、世界各国で入国隔離のようなものが行われました。私は当時カンボジアに住んでいましたが、休暇をとって日本に戻ろうもんなら、日本入国時に2週間、カンボジアに帰ってきて2週間の隔離が求められるような状況でした。他の国でもそうだったことでしょう。

だから今更「隔離生活でこれが役立った」とか「必須アイテム」とかについて書くつもりはありません。整理された情報がありますからね。しかし、その中でも盲点になりがちなものをいくつか書いておきます。

●洗濯石鹸
→まあこれも必須アイテムだと思いますが、ここで注意しておきたいのは、結構すぐになくなるということです。私たちは10日の隔離を家族4人で行いましたが、丸々一個使ってしまいました。下着とかTシャツくらいしか洗わないのに!石鹸一個で余裕だと思っていましたがそんなことはなかった。一人なら十分かもしれませんが。意外に洗濯石鹸は早くなくなる。

●タオル
→念の為と思って家族の人数分持ってきていました。ホテルには何枚かタオルがありましたが、結果的にこれはよかった。部屋干しってなかなか乾かないんですよね。一日中エアコンついてますけど。単身でも2枚くらい持ってきても良いかもしれません。ちなみにホテルではトイレットペーパーやティッシュなどは補充してくれましたが、タオルやシーツの交換はありませんでした。

●HDM Iケーブル
→PCやNintendo Switchとテレビを繋ぐのに使いました。やっぱベッドにゴロンと横になってテレビで見ると楽ですよね。意外に忘れがちですが、便利でした。

●辛いソース
→すごくまずい、という話の隔離飯ですが、私は結構普通にむしゃむしゃ食べていました。最悪の場合を想定してラーメンやらカレーやらを持ってきていましたが、ほとんど食べませんでした。しかし唯一持ってきて良かったのが辛いソース。韓国のプルダクソースですが、辛党の私には必須アイテムですね。毎朝出てくる焼きうどんみたいな料理を激辛にして食べてました。これが食事の中で最も楽しみでした。

隔離ルール

深圳で隔離をしたわけですが、調べてみるとホテルによってそのルールが全く違うみたいです(深圳の隔離ホテル情報は、「深センファン」というウェブページで見ました)。

例えば、他も同じかもしれませんが、私のいたホテルでは隔離後72時間が経過したら、宅配を受けることができました。自分で買ってホテルに届けてもらうやつですね。配達人からホテルの人が受け取り、毎日決まった時間に部屋まで持ってきてくれます。

他のホテルでは、出前を受けることも可能なところがあるようでしたが、私のホテルはダメでした。すなわち、マクドナルドのデリバリーとか、スタバのコーヒーとかはダメってことです。

前も言いましたが、ホテルはガチャですので、やはり最悪を想定しておくしかなさそうです。

私たちは結構食料を持ってきていたので、子供たちはそれを食べていましたが、やはり追加で果物や飲み物を宅配で注文したりしました。飲料水に関してはホテルに言えば追加してくれるんですが、なんせ高いんですよ。うちの子は水をたくさん飲むので、毎日1ケースくらいは飲料水を外部で注文していました。

会計問題

宅配を受け取ることができるのはいいんですが、問題はどうやってお金を払うかです。

日本のアマゾンとかだと普通にクレカが使えますけど、中国ではなかなかそうはいきません。普通みんなアリペイとかWechatペイとかを使っているようですが、そもそもこれは中国の銀行口座がないと使えません。

私たちのようなこれから中国に赴任するような人間にとっては、そこが非常に不便なところなのです。

アリペイのツアーパスというのがあるということは知っていました。それは旅行者のためのアリペイで、クレカで前もっていくらかを買ってプリペイドカードのようにしてお金を払うというものです。

かなり苦労をしつつ、妻がこの導入に成功しました。割高ですけど、背に腹は変えられません(5%の手数料がかかる→例えば500元Topupすると525元分クレカから引かれる)。これで数日は宅配を受けていました。

が、急に凍結状態になってしまったんですね。なぜだかはわかりません。困った妻がアリペイのカスタマーセンターに電話をすると、英語が流暢な女性が対応をしてくれました。しかし1時間話しても解決しませんでした。私は二人ともすごいな〜と思って話を聞いてました。普通諦めませんか?(笑)

で、次は私が登録してみたんですが、最初の買い物をしようとするとエラーが出てしまいました。どうやらツアーパスは制約が多いみたいなんですよね。多分普通に商店で買い物をするとかは問題なく使えるんですが、ネットで買い物をするとかはエラーが出やすいみたいです(他人名義のものを決済するとか?)。

で、八方塞がりになってしまったんですが、飲料水や果物くらいは宅配を受けたい。そこで、結局職場の人のお世話になることにしました。私たちがネットで注文し、その会計だけを職場の人(私の前任者)にパスする方式です。前任者が優しい人で助かりました。

まあそんな感じで宅配を受けたりしていました。

※後日談になりますが、妻が1時間話したアリペイのカスタマーセンターの人、その数日後にアフターケア?で妻に電話をかけてきてくれました(素晴らしいですよね)。解決していない旨を伝えると、別の方策を教えてくれました。

それはアリペイとクレカをリンクさせる、という方法です。つまりアリペイの決済をクレカで行うという方法です。これも制約はありますが、結構使えます。ちなみにアリペイだけでなくWechatペイでもこの方法が使えるということに後から気づきました。

大きな制約の一つは、他の人のアカウントにお金を送ったり、送られたりすることができないということですね。他にもあるみたいですが、私も全体を把握しているわけではないのでよくわかりません。使える時とエラーが出る時があります。

中国の決済方式はその圏内にいる人にとっては楽ですが、蚊帳の外からくる人にとってはなかなかハードです。

隔離のお値段

さて、そんなこんなで10日の隔離生活も終わりです。明日で終わりという日にホテルの人が会計に来ました。ホテルによっては入った初日に会計を行うところもあるようです。以下のような感じでした。一元=20円くらいですね。ちなみに普通にクレカで払いました。

部屋代 400元/日
食事代 100元/日

私たちは部屋を4人で使いましたが、何人で使っても400元です。そして食事は2人前を注文しましたので1日200元。つまり1日のコストが600元。あと、初日は夕食だけ取りましたので、80元追加になっていました。

ですのでざっくり言って、10泊11日で6000元ちょっと、つまり12万円くらいです。これはホテルによって違うみたいです。深圳の隔離ホテルの一覧みたいなものを見たんですが(上で言及した深圳ファンサイトで)、それをみると私のホテルは中の上くらいです(金額が)。高いところは600元オーバーのとこもありますし、一方で150元というところも確認できました。

私は一泊400元という金額について、初日には「想定していたより安くていいな」と思ったんですが、隔離を終えた後の感想としては、「もっと金出すからいいところにしてほしい!」という感じですね。でも逆に言うと150元のホテルじゃなくて良かった、とも。何度も言いますが、ホテルはガチャです。

あ、あと、最後まで「どうなんだろうか」と思ったのはPCR検査の代金です。私たちの場合、1,2,3,5,7,10日目にPCR検査を受けました。部屋に職員の方が回ってきて検査をします。この代金は結局無料でした。これは朗報でした。

消耗する隔離生活

中国は長い時は21日間の隔離だったそうです。それに比べれば私の10日間など甘っちょろいものかもしれませんが、正直言って結構きつかったです。

窓から景色は見えましたが、鉄格子になっていて監獄にいるようでした。部屋は空調で温度が保たれますが、窓は開きませんし、なんかずっと空気が薄いような感覚をがありました。一日中ぼうっとしていたような気がします。

私たちが滞在している間、他の部屋から大声で叫んだり、壁を叩いたりするような音も聞こえましたし、病気か何かで搬送されていく人もいました。普通に心身ともに病みやすい環境だと思います。あと、隔離者とホテルの関係者で作るチャットも結構荒れましたね。ホテル側の不味い対応もあるとは思いますが、隔離者のストレスもその大きな要因ではないかと思います。

これ(隔離時の心身健康問題)については対策のしようがないかもしれませんが、もし自分がそう言うのに弱いという自覚があるのなら、できれば隔離生活はしないほうが良いと思いました。弱い人にとっては結構本格的にやばいかもしれないよ、という話です。私はどちらかというと強いほうだと自覚していましたが、それでもきつかったわけです。ほんとまずい人にとってはまずい環境ですね。

もしここで陽性反応が出たらどうなるんだろうか、もしここで急に病気になったらどうなるんだろうか、もし急に本国に帰らないといけないような出来事が起きたら帰れるのだろうか・・・と怖いことを考えたりもしますし。

そして隔離終了

というわけで最終日。隔離証明書をもらって終わりです。防護服を着た人が部屋をノックすると隔離終了の合図。

私たちは喜んで外に出たんですが、大雨でした。それはそれはすごい雨。その中を、ホテルの裏口からつまみ出されました。

そしてその後すぐに、私たちは大量の荷物をホテルから50メートルの距離にある運送屋に手で運びました。20キロ以上の荷物が10個以上です。

なぜそんなことするかというと、次の北京への移動は国内線だからです。国内線の預け荷物は20キロが一つまで。それを越すとオーバーチャージになってしまいます。「それだったら送ったほうが断然安い、飛行機のオーバーチャージはめっちゃ高い、絶対送るべき」と聞いて、その方法をとることにしました。また、お金の問題でなくそれらの荷物を持って空港に行くことすら非常に困難ですし。

隔離ホテルに来るときはは空港から無料のバスに乗せられました。だからなんとか来られました。でも隔離終了後は「自力で移動」なんですね。これもホテルによって違うのかもしれませんが、少なくとも私のいたホテルには「空港まで送ってくれる」みたいな気の利いたサービスはありませんでした。隔離終了の時点から一般人になるわけです。

大量の荷物を手で運ぶため、ホテルに「台車を貸してくれ」と頼みましたが、「ない」とのことでした。結局私と妻で協力して大雨の中荷物を運びました。その運送屋のお兄さんが優しかったことで大分癒されましたが、今まで生きてきた中でこんなに大変なことはなかったんじゃないかと思うくらい大変な作業でした。

荷物を無事送り出し、深圳の空港ホテルまで向かいました。流しのタクシーでも捕まえようと思っていたのですが、中国在住の日本人の知人が車を呼んでくれました。そして会計まで済ませてくれました(涙)。いや、実は非常に大変な状態だったんです。大雨で服はびしょ濡れ。しかも恥ずかしながら中国のお金を1元も持っていない。どうやってタクシー乗るつもりだったのか。我がことながら。

とにかくそんなこんなで無事に空港ホテルに到着しました。

本当はすぐにでもその足で北京に向けて飛び立ちたかったのですが、そもそも隔離が何時に終わるのかが隔離終了までわからないという状況だったので、リスクを減らすために翌日の便を職場の人に抑えてもらっていたのです。隔離終了当日はちょっと高級なホテルに宿泊しました。いやあ、いいホテルでしたよ。部屋に入ってすぐに温かいお風呂に入りました。

しかしその時はまさかそのホテルに3泊もすることになるとは、夢にも思っていませんでした。隔離ホテルでの出来事は序章にしか過ぎなかった、ラスボスだと思っていたのが実は雑魚キャラだったのです。

2022年7月 中国渡航メモ④〜空港生活から北京へ 

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