忙しい人のための「日本語教育の推進のための仕組みについて(報告)」のまとめ

投稿者: | 2021年8月20日

「日本語教育の推進のための仕組みについて」に関する意見募集の実施について

文化庁が「日本語教育の推進」に関する仕組みづくりについてのパブリックコメントを募集しています。そしてそれを出すための「たたき台」?的な報告が出ています。大きく、

・日本語教師の資格制度
・日本語教育機関評価制度

の2点に関してですが、多くの人がまず気になるのは「資格」の方ではないでしょうか。

以下、この「公認日本語教師」資格の報告について、私なりに簡単にまとめました。もちろん私の要約&抜粋ですので、意見を出そうという方はちゃんと「報告」を見てください。これはあくまでも簡単なまとめです。

大卒要件はなし

これはご存じの方も多いと思いますが、特に受験資格として「四大を出ていないとだめ」ということはないとのこと。理由としては、日本語教育の現場は多岐に渡るから、ということからだそうです。

まあ本文にも書いてますが、学士や修士が必要と思うならば、その日本語教育をおこなう機関が募集要項に「有資格者&学士以上」と書けばいいだけですからね。

筆記試験

「公認日本語教師」資格を得るためには

・筆記試験
・教育実習

が必要になるとのことです。

筆記試験については、

・基礎的な知識を問う問題
・基礎的な問題解決能力を問う問題

の2科目に分かれるそうです。まあ今の日本語教育検定試験みたいなもんですかね。それを年に1回以上実施とのことです。

今の検定試験は日本語教師をするために絶対必要な資格ではないので年に1回でもいいかもしれませんが、今後絶対に必要な資格になるのであれば年に二回くらいはやってもらいたいものです。

教育実習

教育実習を必須とするようです。

「学習者5人以上のクラスで一単位時間以上の指導を2コマ以上実施」

ということですが、学校の先生の実習に比べると楽ですね。まあ自分で教案を書いて、教壇にも少し立ってみるというくらいでしょうか。

試験の一部免除

筆記試験&教育実習というのが資格ゲットの要件となるようですが、その一部免除などもあるようです。

たとえば大学の日本語教師養成課程や一般の420時間の養成講座などが例に出されています。

あれですかね、自動車の免許みたいな感じでしょうか。一発試験で資格も取れますけど、ちょっと学費払って学校に通った方が楽ですよ、みたいな。

大学とかだったら、日本語教育専攻や副専攻で所定の科目を履修したらOKみたいな感じですかね。

また、ここが最も気になるところだと思うんですが、今すでに現役の日本語教師をやっている人たちはどうなるんだろう?って思いますよね。それについては、

質が担保されている機関で一定年数以上働く等、教育の現場における実践的な資質・能力が担保される者に関しては、教育実習の免除などの配慮を検討する。

という文面があります。ちゃんとした学校とかで働いていて何時間以上授業したとかが証明されればよいということでしょうか。

また、現行の資格がどのように認められるのかも気になるところですね。

更新講習

自動車の免許のように更新制にするという話も出たそうですが、それは今のところやめようとのことです。それに代わるような研修の充実でカバーするみたいな感じですかね。

「一回とればOK!助かった!」と考えたあなた!Twitter界隈のストイックな先生方は更新制を望んでいるということは念頭において発言した方がよろしいかと思います。え?もちろん私も日本語教育の質の確保のためには3年に一度くらい試験をやった方がよかろうと、当然思ってますよ。当たり前じゃないですか(笑)

まとめ

というわけで、私なりに報告の要点をまとめておきました。

今だって大学や420時間で学んだり、検定試験を受けたりしているわけですから、これから日本語教師を目指そうという方にとっては、あんまり変わらないかなという感じもします。むしろ、道がわかりやすくなっていいんじゃないでしょうか。

問題は現役の日本語教師ですよね。どこかのタイミングで資格試験を受けなければならないと。でも、おそらくちゃんとした日本語学校や大学で働いている人は免除になる部分も大きそうだし、仮に試験を受けるとしても検定試験レベルであればそれほどハードルの高いことではないですよね。

多分困るのは海外勢ですよね。海外で十分経験があっても、働いてきた機関が「質の担保された機関」として認められるのは難しいでしょうし、そうなると帰国時にフル試験を受けたり、教育実習に参加したりする必要も出てきます。まあ、オンラインでの教育実習なども認められる可能性もありますから、思ったより楽なのかもしれませんけど、少しはストレスになるかと。

私は検定試験に関しては、過去に一度だけ受けて運よく合格できましたけど、でもやっぱそのために帰国しましたから。もう10年以上前なんで覚えてないですけど、海外組は試験の申込みをするだけでも大変だったような気がします。

あ、その辺はコメントを出した方がいいかもしれませんね。

…というわけで、コメントを出さねば!と思った方はぜひ出してみてください。

「日本語教育の推進のための仕組みについて」に関する意見募集の実施について

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