海外在住で妻の配偶者ビザをとるまで①

投稿者: | 2021年12月27日

このたび、必要があり、初めて妻の配偶者ビザ(日本で滞在するための)を申請するに至りました。その過程を、自分への備忘録も兼ねて、ここに記録しておきたいと思います(こんなのすぐ忘れるから)。

これを参考にしてビザ申請をする方もいるかもしれませんが、これはあくまでも私のケースで、それがすべてのケースに適用されるかどうかはわかりません。またこれは本日(2021年12月27日)付けのことですので、その後いろいろなことが変更になることは十分ありえます。あくまで参考にとどめてください

前提

・私:日本国籍、妻:大韓民国国籍
・子供:小学生2人、二人とも両国の二重国籍
・家族全員カンボジア在住
・妻は日本のビザを受けたことがない
・2008年に両国で婚姻届けを提出済み

配偶者ビザが必要な理由

上で記載したように、妻とは婚姻してから13年ほどになりますが、その間私も妻も日本に居住したことがありません。その間、帰省や旅行で何度も日本へ入国はしましたが、韓国籍の場合、3か月はビザなしで滞在できるので、特にビザを取る必要はありませんでした。

しかしコロナの状況下ですよね。

私は2022年の春ごろにカンボジアでの勤務を終えて日本へ戻るのですが、現状ではビザなし入国が一切認められていませんので、妻だけ日本に入国できなくなります。ただ、国民の配偶者は人権配慮的観点から「特段の事情」が認められて、ビザの発給が可能だそうです。

もう1年以上前になりますが、もしかしたら職場の方から「カンボジアを強制退去せよ」と言われるかもしれないと考えて、このビザについても調べたことがあります。その時カンボジアの大使館に直接聞きましたら、

とりあえず戸籍謄本が必要になる

と言われました。なので、今回の帰国でもこの方法で大使館で特段の事情的ビザを発給してもらったらいいかな、と思ったんですが、おそらくそのビザは訪問的なビザになるので長期の滞在は難しいのじゃないかと考えました(私の考えです)。

今回の日本滞在は長期に及びますし、やはり居住できるビザをとっておくのが無難だろうと思いました。居住できるビザ=配偶者ビザをとっておいて得られるメリットを私は以下のように考えました。

・何度でも出国、帰国ができる
・滞在中、日本で健康保険に加入できる
・日本でワクチン接種を受けることができる

一方デメリットは、

・手続きがめんどい

ということですね。

二国での手続き

調べてみたら、配偶者ビザって結構その取得プロセスが面倒なんですよね。まず、ネックになったのが、

在外公館では手続きができない

ということですね。基本的にビザ取得のための最初の一歩は日本から踏み出さないといけないのですね。もし、手続きがうまくいけば、以下のような順序を追うことになります。

①書類をそろえる
②日本の出入国在留管理庁に書類を提出
②「在留資格認定証明書」が郵送されてくる
③それを在外公館に提出する
④ビザ発給

まあ、こう書いたらそんなに複雑じゃないかもしれませんが、少なくとも二つの国で手続きをしないといけないということです(両方とも日本にいてもビザが下りることもあるらしいですが、非常に稀だそうです。気になる方は調べてみてください)。

最初の書類提出は日本で、最後のビザ発給は外国で。

しかも、Eメールとかそんな気の利いたものも利用できません。郵送すらできません

つまり制度的に、日本人が日本にいて、外国人配偶者が海外にいる。その配偶者を海外から呼び寄せるというモデルに基づいているというものなんですね(しかもアナログ的手続き)。

私ははじめ調べたとき「これは詰んだわ」と思ったんですが、よくよく調べてみるとどうにかなりそうなんですよね。

代理申請

私も妻も海外にいる。しかし日本と外国で手続きをしないといけない。しかも書類は手渡しをしないといけない。そして、電子的手段は使えない。ちょっと無理そうですけど、代理申請という方法があるんですね。とりあえず、

・行政書士?的な事務所

なら申請ができるそうです。おそらくこのビザに関心のある方なら既にいろいろ検索されていると思いますが、大体配偶者ビザの申請について情報を書いてくれているのはこういった行政書士的な事務所が多いですよね。「配偶者ビザの申請は難しいので専門家に頼むが良い」というようなことが書いてあります。あと、代理申請できるのは、

・日本に住む親族

ですね。6親等までは申請できるみたいで、かつ日本人である必要はないそうです。まあ普通は親や兄弟姉妹とかになるかと思いますが、「おじおば」「いとこ」などでもいいということですね。

結局私は実家の両親に頼むことにしました

書類をそろえる

上記したようにいろいろな事務所や人がビザ取得についての情報をあげてくれています。それをまずは概観し、大体の流れをつかんだところで、書類をそろえようと思いました。

ただ、やはりこういうときはオフィシャルな情報を参照したいですよね。ブログとかによる二次情報では、申請の際に「これは旧フォームですよ」などと言われかねません。そこで色々調べてたどり着いたのがここ。

在留資格認定証明書交付申請(日本人の配偶者)

出入国在留管理庁のページですから間違いありません。ここを見て私は書類をそろえました。まあこのページもそんなに親切とは言えないんですけどね。

記入をすればいいものは記入をするだけなんですけど、困ったこと、判断に迷うこともいくつかありました。

5日本での滞在費用を証明する資料

普通はですね、これは納税の証明書を出すみたいです。でも私は上記したように日本にしばらく居住していませんので税金も払っていません。だから出したくても納税に関する書類は出せません。

とりあえずここは二つの書類を出すことにしました。

・直近6カ月の給与明細書
・定期預金の残高のコピー

給与明細書は毎月メールで送られてくるのをコピーしました。あと、困ったのは預金で、私の場合まあ人並みに資産はあると思いますが、それが日本の銀行にはありません。てか、まとまった資金を日本の銀行に預けるわけないじゃないですか、こんな超低金利で。

で、考えた挙句、韓国で仕事を辞めた時にもらった退職金的なものを、手を付けずに定期預金に入れていることを思い出しまして、それのコピーを出しました。正式な書類ではなく、ネットバンキングの定期預金の残高部分をキャプチャーし印刷したものです。そこに少し日本語訳を鉛筆で書いときました。

9スナップ写真

ここも迷いました。但し書きには、

(夫婦で写っており,容姿がはっきり確認できるもの。アプリ加工したものは不可。)2~3葉

とあります。もちろん写真はあります。でもそれをいわゆる写真の形にして提出しなきゃだめなのかな?と考えました。それだったら近くの写真やに行かないとな~とか。

でも結局、A4の紙に写真ファイルを貼り付けてそれをカラー印刷したものを提出しました。2~3葉とありますが、他のブログとか見ると、多いほうがいいとあるので、A4に6枚写真を張り付けたものを2枚分提出しました。できるだけ、子供も一緒に写っているものを年別に選んでおきました。

どうなんでしょうね。2~3葉でいいなら、もしかしたら先読みしすぎなのかもしれませんね。ただ、たくさん提出することはそれほど手間になりませんから、そうやってみました。

その他

あと、求められていませんけど、書類の一番上に挨拶みたいなものを書いておきました。そこには提出する書類の内訳と、あと「住民票の写し」が出せないことに対するエクスキューズです。だってこちとら海外在住ですから、当然私も住民票はありません。「海外在住のため、住民票は出せません」ということを書いておきました。

あと、ちなみに、細かいことですけど、ほとんど手書きはしませんでした。PDFで提供されているファイルも、全部PCで編集して打ち込みました。それでも問題はないようです。

日本での手続き

書類をそろえたあとで、全部それを両親にDHLで送付しました。31ドルかかりました。もし、受け取る側(私の両親)のITリテラシーが私くらいあれば、特に郵送をする必要はないと思います。全部電子的に送って、それを印刷してもらって出せばいいだけですから。

でも、電子的ファイルを送って私の思うように配列しなおして提出するというのは、きっとハードルの高いことですので、郵送をしました。そもそも実家にはプリンターもありませんし。もし、そういった面でそういうことができる人がいれば、この過程は電子的に済ませることも可能だということです。

さて、申請のまえにもう一つステップが必要です。私が送ったものが提出書類のすべてではありません。両親にも少し動いてもらわなければなりません。それは、

・戸籍謄本をとってもらう
・404円分の切手を貼った返信用封筒を用意してもらう

これをお願いしました。戸籍謄本は、親レベルなら委任状がなくてもとることができます。

で、「私の送った書類」と「以上の2点」を持って、いざ提出をお願いしました。提出をする場所も一応間違いがないように、「出入国在留管理庁 外国人在留総合インフォメーションセンター」にメールを送って確認をしました。

結局私の実家の範囲ですと「大阪出入国在留管理局か、神戸支局」ということなので、近い方の神戸支局に出向いてもらうように母にお願いしました。

しかし、大変な事態が!

書類に不備があったのです。それは妻のパスポートのコピーを入れていなかったこと

パスポートのコピーの提出についても↑のオフィシャルなページで言及されているんですが、今読んでみてもなかなか理解が難しい文なんですよね。「パスポートと申請書の名前が一致しない人だけ提出」するのか、それとも「全員可能な限り提出」するのか、読み方によってはどちらにでも読めるのです。

実は、母に書類を送る前に「パスポートのコピーを一応入れておこうか?」と逡巡したのです、少しだけ。それほど手間でもないので入れておけばよかったなあ、と少し後悔しました。私がミスでした。

役所で母が「じゃあその不備の書類はどうすればいいんですか?」と聞いたところ、「後ほどこちらから連絡します」とだけ言われたそうです。

しかし、不備はあったものの、申請は受け付けてもらえました。受取証も発行され、とりあえず一安心。

その後、申請から1週間ほどして、実家に郵便が届きました。それは、

「パスポートのコピーを持ってくるか、郵送せよ」とのことでした。

さすがにこちら(カンボジア)からその一枚だけのためにDHLを送るのもなあと思い、なんとか考えて、親戚にお願いしました。私のおじの家は実家の隣にあり、そこは商売をやっています。ですのでメールアドレスを教えてもらいそこにパスポートのコピーを送り、それを印刷して母に渡してもらいました。

母はそれを所定の場所に郵送。

これで事なきを得ました。すごい連携プレイですよね。

在留資格認定証明書発行

一月くらいかかるのではないだろうか、と思っていたら、申請から17日後、追加書類の送付から9日後くらいに実家に書類が届きました。

そこにはもちろん「在留資格認定証明書」が入っていました。ふう、一安心。

とりあえず第一関門にして、もっとも大変だった過程が終わりました

※問題は「早く発行されても困る」という点でした。というのはその書類は入国の有効期限が3か月ですので、あまりにも発行が早いと、我々の日本入国時点では有効でなくなっている可能性があるからです。しかしそれは杞憂で、最近はコロナの状況下ということから、通常3か月のところ、6か月有効になっているというのです。これもほっとしました。

今度はそれをカンボジアに郵送してもらわなければなりません。大事な書類なので、とりあえずコピーをとるように母に指示をし、私の方に写真も送ってもらいました。

問題は書類をどう送るか

今EMSは止まっているそうなんですよね。DHLかな~とか考えましたが、うちの実家から出しに行くのは大変そうなんですよね(集荷にも来てくれるんでしょうか?よくわからず)。そこで、ヤマトの国際便を思いつきました。そういえばTwitterでもヤマトを使ってカンボジアに荷物を送ったという話を何度か聞きましたから。ヤマトの事務所ならうちのちかくにあるみたいだし、集荷に来てもらうことも可能だそうです。

そういうことで、今は「ヤマトでこちらに送ってください」と母に告げ、その到着を待っている段階です。

とりあえず①はここまでです。このあとは送ってもらった書類を受け取り、それを持って大使館にビザ発行の申請に行くという手続きです。これについては終わり次第②でレポートします。

海外在住で妻の配偶者ビザを取るまで②完

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