世の中には外国語学習に関する情報が溢れています。
日本人にとって最もメジャーな外国語は英語でしょう。選ぶのが難しいくらい、英語学習に関する情報は溢れています。また中国語や韓国語も学習者が多いため、情報や教材を楽に手に入れることができます。フランス語とかドイツ語、スペイン語なども割とメジャーな方でしょうか。
一方、メジャーじゃない言語を学ぼうと思うと、どこから手を付けていいかわからなくなります。例えば以前Youtubeを利用した学習ツールにかんする記事を書きましたが、メジャーじゃない言語はサポートされていないこともあります。
■Language Learning with Youtube BETAを教えてもらいました
今日はメジャーじゃない言語を学ぶ際にどこから手を付けるべきか、どのように学習を進めるべきかについてちょっとまとめてみます。もちろん個人差はあると思いますので、ケーススタディとして見てもらえれば幸いです。
ちなみに大いに参考にしたのは『冒険家メソッド』です。
■【レビュー】『SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》』
まずはOERで概略を把握
OERとはOpen Educationak Resourcesの略で、一般に公開されている学習リソースのことです。外国語に関しては東京外大のと大阪外大のものが有名です。
これをとりあえず概観するのが良いでしょう。さらっと見るだけでもその言語にどのような特徴があるのかがわかります。文法体系や文字などですね。ちなみに私の勉強しているクメール語は東京外大の方にのみありました。
講義動画で基礎を学ぶ
最初は目標言語に対しての知識は0ですから講義動画などを探すのが無難でしょう。やはり動画はYOUTUBEです。とにかく目標言語をキーワードにしてひたすら検索です。
クメール語を例として検索をしてみました。やはりいくつかヒットします。マイナー言語であっても「挨拶の仕方」とか超基礎的なものならいくつか動画があるはずです。それをとにかく調べて、自分にフィットするものを探しましょう。
しかし、マイナーであればあるほど講義動画は少なくなります。そういった場合は自分ができる他の言語での動画を探してみるのも一興です。私は日本語と英語と韓国語で探してみました。その中で最もフィットしたのは韓国語の動画でした。基礎文法などはこれで学びました。
■基礎カンボジア語会話(韓国語)
OERなどだけでも順序立てて学べるのですが、私の場合はとにかく口頭コミュニケーションを学びたいと思っていたので、動画とOERを併用しました。
スマホの学習アプリを探す
OERやYoutubeの他に探してみるところはやはりスマホアプリでしょう。英語などは供給過多気味で、逆にどれを選べばよいのか悩んでしまうほどですが、マイナー言語に関してはそれほど選択肢がないので楽といえば楽です。
クメール語に関してもいくつかアプリはあったのですが、旅行会話以上のものを提供してくれるものは一つしかなかったように思います。
これも結構使えました。最近のアプリは最初の方は無料、もうちょっと学びたければ課金せよというものが多いと思いますが、ちょっとやってみてフィットするようでしたら課金してもいいかもしれませんね(私は年間で4000円くらい払いました)。
上のアプリは多言語を学べる仕組みになっています。例えば「ウルドゥー語」「チェコ語」「フィンランド語」のような我々日本人からみたらかなりマイナーな言語もカバーしています。
ちょっと覗いてみたんですが、学ぶ順序というのはどの言語でも同じです。それぞれの言語ごとにカリキュラムがカスタマイズされていません。つまり、どの言語を学んでも最初の課は「私は学生です」を学ぶんですね。言語ごとの特性が考慮されていませんので、あまり自然でない言い方も出てきてしまいます。
ただ、音声はネイティブが録音しているようなので、使い方を吟味すれば十分使えると思います。
オンラインレッスン
これまでのOER、YOUTUBE、スマホアプリなどは一方向的なものでした。これでもある程度は学べると思いますし、勘の良い人はそれだけでもかなりのレベルに到達できるとは思います。でも、もし余裕があればレッスンを受けるともっと学ぶスピードは早くなると思います。
マイナー言語ですから「最寄りの駅に教室がある」というようなことはあまりないと思います。ですがオンラインで良いならば、世界中から自分にフィットする先生を探すことができます。
私の場合はあるときFacebookの広告的投稿で見かけたクメール語オンライン指導の学校に問い合わせて週に一度個人レッスンを受けています。現地にいるので料金は銀行振込ですが、仮に日本や外国にいたとしても今の時代であればいくらでも料金を払うことは可能です。
週に一度でもレッスンを受けた方が効率が良いと思う理由は、会話練習ができることはもちろんのこと、自分の「こういうことを言いたいがどう言えばいい?」という質問にピンポイントで回答が得られるからです。
例えばGoogle翻訳などで調べると、一応は答えを得ることができます。目標言語から日本語に直す時は多少変な言い回しになっても意味を捉えることができますが、反対に日本語から目標言語に直した場合、その表現が正しいのかどうかを自分で判断することはできません(特に初級の場合)。ですから気軽に聞ける人がいるということは外国語学習にとって大きな利点となります。
また、先生の許可を得て、毎回その授業の音声を録音しています。週1、60分の授業ですがそれを少なくとも1回は聞きます。2回聞くこともあります。これは非常に役立ちます。
冷静になって聞いてみると「先生の話ちゃんと聞いてないな~」という箇所もあったりして学習者の立場がよくわかります。これももう一つの利点ですね。
世に溢れている動画を見る
さて、基本的な語彙や文法を覚え、ある程度実力がついてA2(初級後半)くらいになったらどうすればよいでしょうか。もし初級後半や中級用の教材が用意されているような言語であればそれに従っていくのが良策とは思いますが、マイナー言語の場合はそのような教材をゲットできる機会はあまりありません。
そうなると、リアル教材を使うしかなくなります。私はまだまだ学習用にアレンジされていないリアル動画などはハードルが高いのですが、聞き続けていると少しずつ理解度が高まることが実感されます。
初級レベルでリアル教材を選ぶ際には「状況的に何を言っているのか大体わかりそうなもの」を選ぶのが得策でしょう。
また、ネイティブの話というのは非常に速いです。ですが、速度を遅くすれば聞き取れる、ということも往々にしてあります。私の場合はFacebook動画の中に自分の学習目的にフィットする動画がありましたので、それをスマホにダウンロードして速度を0.7倍ほどにして聞いています。語学学習に特化した再生アプリを使うと速度の調整はもちろん、任意の秒数前に巻き戻しなどもできますのでとても便利です。Youtubeですと、デフォルトで速度調整機能がありますので便利ですよね。
単語帳を作る
これは公開するのが恥ずかしいのですが、自分だけの単語帳も作っています。
Googleスプレッドシートで書くだけですが、スマホにもワンタップで開けるようにしているので、外で役立つこともあります。ちなみに私はクメール語の読み書きは完全に捨てました。数学と理科を捨てる私立文系専願学生のようにきっぱりと捨てました。なのでカタカナ書きで表記しています。
まとめ
以上、マイナー言語を勉強する時の方法についてまとめてみました。
私の場合は読み書きは捨てています。ですので「話す・聞く」に特化した方法をご紹介しました。もし読み書きもバランス良く学びたいと思うのであれば、Facebookグループを使ったりTwitterやInstagramを駆使する方法もあるでしょう。
それと、クメール語に関してはちゃんとした語学学習用の教科書というのもいくつか出ているようです。それも役立つとは思うのですが、基本的に私は机に向かって勉強する時間をとっていません。座って本腰を入れるのはオンラインレッスンのときだけです。ですので運動しているときや通勤の際に聞いたりするものが多くなっています。
この辺はどのくらい語学学習に力を注ぐかによって変わってくるとは思いますが、聞き流したりするくらいでも「聞く・話す」力はついて来ているなあと思っています。
カンボジアに赴く前の学習については以下を参照ください。今回ご紹介したことと被る部分も多いです。
■冒険家メソッドでクメール語を学ぶ①
■冒険家メソッドでクメール語を学ぶ②