『協働が拓く多様な実践』を読みました。Xリーディングの記録

投稿者: | 2023年9月5日

また今回もXリーディングを試みました。今回の本はこれ↓

協働が拓く多様な実践

また今回は、一つ一つのポストをはっつけるのが大変なので、何か良い方法を模索したところ、最初のポストにリプライで「@threadreaderapp unroll」と送ると、そのスレッド全ての内容を拾ったURLを作ってくれるということがわかったので、その方法で過去にポストした記事を取得しました。便利な方法ですよね。


第1章 日本語教育のピアラーニング

ピアラーニングのチェックポイント(一部改変)
①学習者の特性が考慮されているか
②対話の活動が仕組まれているか
③他者との継続的な対話が必要となるか
④情報の共有を通じて創造的な答えを見出すものか
⑤成果は学習者にとって意味を持つ可能性があるか


第2章 協働的な学びの場をつくる教師の役割

作文授業の実践を見ながら協働的な学びのあり方を考察したもの。具体的でわかりやすい。「添削」についての現実的な必要性についての議論もある。

「協働によって何を教室に実現したいのかを問い続けること」が重要だと示唆。

第3章 社外での学びの場と職場での実践を結ぶ協働学習

外国人材の「学びの継続」には「働くことに関する個の成長」「職場内外での他者との接触と学び」の側面があり、ここで紹介した協働学習はそれらの有機的なつながりを支援することになる。

第4章 日韓交流学習におけるクラス間協働の課題

日本と韓国の大学でそれぞれお互いの言語を勉強する学生たちが「成果物共有型」の交流学習をおこなったときのことを詳細に考察したもの。課題がたくさんあっておもしろい。
日韓の交流学習の定義や類型についてもわかりやすくあとめられている。

第5章 ASEAN日交流プログラムを契機にマレーシアの学生に循環的・協働的な学びを創出する

マレーシアと日本、マレーシアの学生同士、マレーシアとタイの学生間の交流を報告。

面白かったところ→日本の来賓を意識しすぎて、日本に対し好意的な内容ばかり発表されたとのこと。あるあるですね

第6章 学校間の非対面ピア・レスポンスの試み

台湾の2つの大学間でおこなったPR作文活動について。2016年の実践だが、作文のやりとりは郵送で、結構手間がかかりそうだと思った。その後の変化が気になる。

第7章 インドネシア人の日本語学習者における非対面・ピアレスポンス

Facebookを使って、インドネシア国内の二つの大学の学生が作文に対してフィードバックを行う活動。
うまくいかなかったという印象を受けた。指摘にもある通り「今のインドネシアの若者はFBをあまり利用」しなくなっている。

第8章 基礎日本語リーディングの授業改善のためのピア・リーディング

タイでの実践。レベル差がありぱっとしない読解の授業でジグソーリーディングを取り入れた結果、授業が活性化したという報告。

ジグソーリーディングはおもしろいけど、セッティングが難しいですよね。

第9章 ピア活動が文法知識の獲得に及ぼす影響

モンゴルでの実践。助詞「ば」の習得において、ピア活動をおこなったグループと普通の講義をおこなった統制グループを比較。ピアのグループの方が「ば」をよくお覚えたとのこと。
ことわざを使用し、ピアで「ば」の意味を考える活動を行なった。

第10章 「第二外国語」クラスにおけるピア・ラーニングの実践

中国における実践。「フリップ(A4サイズのホワイトボードのようなもの)」を利用することによって、教室活動が活性化した。特に学習者間のやり取りが増えたことがポイント。

単純だが、とてもおもしろく広がりがあるやり方だと思う。

第11章 ダイバーシティの環境整備を可能にする協働型研修

外国籍の社員と日本人の社員がうまく協働するためのワークショップについての報告。確かにこういうのが必要っだと思った。
「すり合わせ型」と「モジュール型」という仕事の進め方についても知ることができた。

第12章 初級学習者に対するケース授業実践

一般にビジネス関連のケース学習は「中級以上」がおkなうものという認識があるが、これは初級レベルでそれを導入した記録。
非常に面白かった。そもそも実社会に出れば「初級」も「中級」もない。TBLTのお手本と言えるのでは?

第13章 ピア・ラーニングによる介護の専門日本語の授業

EPAによる介護福祉士候補者を対象とした授業の実践報告。難しい国家試験合格に向けた授業をピアで行うことによって様々な利点があることを報告している。北米における多様なCBIモデルについての言及もある。

第14章 協働の学びの場の実現に向けた教師養成

ピアラーニングを実践できる教師を育成するための授業の実践報告。実習生は「日本語の授業」では教師になり、「実践研究授業」では学習者になるという経験を持つ。
進め方を見るだけでも実習生には相当良い学びになっただろうと推察される。

第15章 チーム・ティーチングにおける協働的内省

タイでおこなわれた「対話型教師研修」の報告。KPT(Keep Problem,Try)の手法を援用している。
やり方はシンプルで、受ける方もとっつきやすいのではないかと思う。

第16章 自律的成長のための協働研修デザイン

大学院の同期三人でおこなった対話的研修の報告。8年間の間におこなったものを分析考察。職場の移動が多くロールモデルが見つかりにくい日本語教師にとって、このような研修の方法が自律的成長に結びつく可能性を示唆している。

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