日本語教師と外国語

投稿者: | 2020年9月8日

「日本語教師あるある」に必ず出てくるのがこれ。

じゃあ、英語ペラペラなんだね!

あと、日本語教師を目指す若者からの質問としてあるのが、

外国語ができないとだめなんですか?

この質問に「教科書的に」答えるとこうなります。

日本語教師だからといって英語や外国語がペラペラじゃないといけないわけではありません。例えば国内の日本語学校ではいくつもの国の出身の人が共に机を並べています。英語が得意な人もいれば、全然できない人もいます。ですから国内の場合、直接法といって日本語で日本語を教える方法を取ることが多いです。しかし、外国語を学ぶ経験は日本語教師にとってプラスになります。自分も学習者の視点に立つことによって、その経験を授業に活かすことができるようになります。

こんなところでしょうか。しかしね、実際には日本語教師の語学力、

半端ないっす。

今日はそのことを再確認した#ZOOMでハナキン0904の「いくつもの外国語の特徴について話す部屋」についてご紹介します

いくつもの外国語の特徴について話す部屋

上のような提案をし、私がホストとなり、とりまとめをさせていただきました。テキトーに言語を一つ決めて、その言語ができる人、勉強している人などがあれやこれや話すという企画です。

会の始まりから終わりまで、ずっと続けましたが、結局、以下の8言語に関する知見を得ることができました。

モンゴル語
タイ語
ベトナム語
フランス語
フィンランド語
オランダ語
ポルトガル語
広東語

確認はしてませんが、どの言語も中心になって話してくれた人は、その言語の上級者ばかりです。ですので非常におもしろい学びの機会となりました。

参加者数は把握していませんが、入れ替わりつつも瞬間最大で40名程度になったのではないかと思います。しかし、別にネタ切れで終わったわけではありません。時間切れで扱えなかった言語がまだまだいくつもあります。

ぱっと考えても、英語、ドイツ語、北京語、韓国語などの比較的なメジャー言語も出ていませんし、おそらく次に同じ企画をしても同じかそれ以上の言語を取り扱えるのではないかと思います。

40人くらいの人数が集まって、このくらいの数の言語の上級者がわちゃわちゃ出てくるということもなかなか珍しいのではないでしょうか。それができるのもオンラインだからであり、ハナキンだからであり、日本語教師の集まりだからですね。

話の流れで、「来る学生によってどの言語で授業をするか変える」といった猛者教師もいました。1言語できるのは当たり前、下手すりゃ2,3,4、5言語できる人もいるんじゃないでしょうか。

そういうことを踏まえて日本語教師の語学力半端なしと言ったのです。

外国語ができたほうがいいのか

できるかできないか、と言えばできた方がいいでしょう。特に海外の現場では初級の学習者が圧倒的に多いですし、その国や地域の言語ができないと全く仕事にならないということもありそうです(知らんけど)。

私の印象では、特に欧米で仕事をしている人などはその土地の言語に精通している感じがします。逆にアジアの方では言語ができなくてもどうにかなるイメージがあります。

例えば私が以前いた韓国では、韓国語がまったくできない人も多数いました。それでも何とかなるのは、学習者が多く、教師も多いので、韓国人の先生と日本人の先生の棲み分けがなされているから、ということでしょうか。例えば文法などの説明は韓国人の先生がやって、会話とか作文なんかは日本人がやるというような。

ある程度まとまった人数や時間が確保できる日本語教育機関ではそういう棲み分けも可能ですが、そもそも学習者が少ないとなると「私は文法説明はできない」とかそんなこと言ってられないのでしょう。

まあ、だから月並みな結論ですが、「やっぱ土地の言葉はできたほう良い」ということになりますね。

世界の言語をかじってみて

この企画で一番に思ったことは、

ヨーロッパの言語には手を出したくない

ということでしょうか。主語によって動詞の形が変わり、しかもそのパターンが8種類とか、拷問のレベルではないですか。

反対にアジアの言語の方が楽そうではありました(今回聞いた中では)。タイ語とかはそもそも語形の変化とかもないそうですしね。今私の勉強しているクメール語も同じですけどね。

ただやはり長所と短所があって、タイ語やクメール語は文字が馴染みのないものですから覚えるのが大変な一方、ヨーロッパ言語はアルファベットみたいなのが多いですからとっつきやすそうです。発音に関しては日本語を出発点にするとどれも難しそうですが、声調がある中国語やタイ語、ベトナム語などはやはり難しそうな感じがします。

って考えるとやはり外国語はどれも難しいですね。

まとめ

まあ、特にまとめ、というのはないんですけど、言語教育に関わる一人としては、非常におもしろい企画でした。純粋にいろいろな外国語ができるってかっこいいですよね~。日本語教師云々は抜きにしてもね。

あと思ったのは、外国語ができるっていうのはある程度ステータスになりますよね?だけど、この集まりでは

ドヤ顔は一切なし。

それはそうですよね。自分が一度も聞いたこともないような言語の話者が普通にいるんですから。10くらいの言語ができないとこの環境ではドヤ顔はできません(笑)

#ZOOMでハナキンにおいて、提案してルームを作って参加者の方々と交流するのは3度目になります。どの会もみなさまのおかげで集客?もうまくいきましたし、いい感じの集まりになったと思っています。

今回成功したな、と思ったのは「ホストである自分がメインで話さなくていい」ということです。私はあんまり話すのが上手じゃないので、参加者の人が勝手に話してくれるというやり方はほんと助かります。あと、日本語教師の性といいますか、自分が一方的に話しているとちょっと不安になるんですよね。

過去の企画はこんなんでした↓


最後に、みんなで作成した今回のルームの成果物を公開します。Googleスライドを公開設定にして、自由に書き込んでもらいました。今後に向けてのアーカイブという意味合いではなく、なんか見るものがあった方が話しやすいかなというくらいで作ったものですので、わけのわからん記述もありますが。。。

いやあ、おもしろかったです。またやりたい!

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